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低用量ピルや黄体ホルモンを飲んでいますが、いつまで飲んだら良いですか? 〜OC/LEPやPOPのやめどき〜

OC/LEP(低用量ピル)ジエノゲストPOPを服用している患者さんから、「いつまで飲む必要があるか?」「いつ止めたらいいのか」は、よくいただく質問です。

答えは、これらの治療を開始した理由により異なります。

・「避妊」目的
→妊娠の可能性がある限り(性交渉のパートナーがいる間)、または妊娠しても良い、という時点まで。

・「PMS」改善目的
→妊娠しても良い、という時点まで。ただし、PMSはある程度の時期を過ぎると改善していることもあるため、半年から1年くらいで服用の継続を検討しても良いと思いますが、一度休薬した後の再開でも、OC/LEPは内服開始当初の血栓症のリスクがあります。

・「月経痛」「子宮内膜症」「卵巣チョコレート嚢胞」の治療・改善目的
→やはり妊娠を希望するまで。

月経痛がある方は、OC/LEPによって、内服中は子宮内膜症の発症リスクを下げることが出来ます。
逆に言えば、OC/LEPを止めると、子宮内膜症が発症する可能性が高まります。
よって、妊娠を考える直前までの服用をお勧めします。

・「月経不順」や「多嚢胞性卵巣の生理不順」の改善目的
→妊娠したいと思う1年ほど前には休薬して、月経不順が改善しているか、排卵しているのか、経過を見た方が良いと思います。

OC/LEPは、月経不順を根本的に改善する治療薬ではありません。
服用中はほとんど予定通りの出血がみられると思いますが、止めたら元の状態に戻ります。

ただ、OC/LEPを服用している間、年齢とともに性成熟によって月経不順が改善されている可能性もあります。

妊娠を希望される場合、排卵することは絶対条件です。
月経不順・排卵障害の原因にもよりますが、重い排卵障害の場合、排卵できるようになるまで、治療に3ヶ月〜1年以上かかることもあります。

つまり、赤ちゃんを作る1年ほど前には、OC/LEPを止めて、排卵できるか基礎体温などで確認し、必要に応じて治療を行います。

OC/LEPの場合、年齢的には40歳を目途に、血栓症のリスクから、治療法の見直しを提案しています。ジエノゲストやPOPは血栓症リスクがないため閉経まで使用することが出来ます。

OC/LEPとPOPについて解説した動画です。

文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)

初出:平成29年8月8日
補筆修正:令和2年1月15日、7月8日、29日、9月2日
補筆修正:令和3年4月2日
補筆修正:令和4年2月8日、7月27日、9月25日、12月26日
補筆修正:令和5年8月4日、11月24日、解説動画を追記しました。