PMS、10年くらい前までは、患者さんに疾患の概念から説明が必要でしたが、最近では、患者さんが「PMSなんですが」とおっしゃいます。それだけ一般化しつつある言葉です。

以前は月経前緊張症、最近では月経前症候群、と呼ばれます。

特徴的なのは、

・月経開始の前、1週間くらいに起こる様々な症状が

・毎周期、月経前に起こる

ことです。反対に、症状は人それぞれで、十人十色、と言っても過言ではありません。
例えば、頭痛、腹痛、腰痛、乳房痛などの痛み、吐き気、下痢、便秘など消化器症状(胃腸症状)、いらいら、うつ、反対にハイテンションになったり、の精神症状、他にも必ずこの症状がでる、と決まったものはありません。ただ、繰り返しますが、毎周期決まって同じような症状に悩まされるのです。
様々な原因が挙げられますが、一番の原因は、排卵後に分泌される黄体ホルモンで、ピルがよく効くことも裏付けになります。

患者さん向けPMS

治療法の第一は、対症療法。

痛みには、適切な鎮痛剤、消化器症状には、整腸剤や胃薬、下剤、制吐剤などを使います。
むくみには降圧剤の一つであるスピロノラクトンが、体内の余分な水分を排出させるため有効です。
精神症状に抗不安剤や抗うつ剤を処方することもありますが、第一選択としては抵抗を感じる方もあるかもしれません。

第二には、根本的な治療法、と言っても、原因がはっきりしていないので、これも色々あり、以前から行われていたのが、利尿剤。最近では、ピル、特にOC(低用量ピル)が多く処方され、漢方薬やSSRIといった抗うつ剤も用いられます。抗うつ剤治療は別途メンタルクリニックへの紹介も行っています。

また最近では大豆イソフラボンから作られる「エクオール」の産生能が乏しい方にPMSが強い傾向から、エクオールサプリメントを使って治療することもあります。

もちろん患者さん個人個人で効果が異なる場合があるため、効果がみられるまで治療法を変えていくこともあります。

赤ちゃんを望んでらっしゃる方や授乳中の方はOCを服用することが出来ませんので、他の治療法から選択します。

PMSの場合、原疾患、つまり子宮や卵巣に異常がなく、きちんと排卵している方に起こります。よくホルモンバランスが悪いから、と心配なさる方がいらっしゃいますが、逆にきちんと排卵が出来ている方に多い症状なのです。