ピルの服用に伴う最大のリスク、合併症は、「血栓症」です。

当院では、血栓症のリスクが高まる40歳以降や、肥満の方などに対しての低用量ピルを含めたピルの処方は、原則行っておりません。
また、ピル開始前にOCチェックシートによる問診と採血でスクリーニング検査を行い、ピルの服用が適していることを必ず確認します。
ピル服用が適さない患者さんには、代替療法をお勧めしています。

Q.なぜ、ピルの服用で血栓症のリスクが高まるの??
ピルに含まれるエストロゲン(女性ホルモン)の作用により、血管内で血液が固まる、すなわち「血栓」を作ることが、とてもまれではありますが、リスクが高まります。

血栓が起こりやすいのは、

・もともと血栓傾向がある(先天的な病気もあります)

・ピルを使い始めた頃

そして

・ 40歳以降
・ 肥満の方
・ 上記のスクリーニング検査結果異常

などです。

ピルによる血栓は、妊娠、分娩による血栓のリスクよりも低く、一般的には安全な薬、と言っても差し支えありませんが、稀であるとは言え、ピルによる血栓症のため亡くなる方もあり、また一度血栓ができると次から次へと血管内で血栓ができるようになってしまうため、血栓溶解剤を長期間服用しなければならなくなります。
血栓溶解剤は血が固まりにくくする薬ですから、血液検査で採血を受けても、怪我をしても出血は止まりにくい状態です。さらに手術も受けにくくなり、最も女性が困るのは、月経が止まりにくいことと思います。

○月経痛や過多月経の治療法として低用量ピルを服用されている場合の代替療法について

子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症の治療として用いられることが多いです。

・手術療法
ディナゲスト
ミレーナ
・子宮鏡下子宮内膜焼灼(蒸散)術

などが代替治療の候補です。

避妊目的の場合、コンドームや子宮内避妊リング(IUD)を使うなどの他の治療法をお勧め致します。
またPMS(月経前症候群)であれば漢方療法やエクオール含有サプリメントなどです。

それぞれの患者さんに応じた治療法をお勧めしています。

代替治療の候補もなく、やむを得ずピルを服用し続けなければならない場合は、通常1年ごとに行っている血栓をはじめとしたOCの副作用チェックを、40歳以降は6ヶ月毎に行っていきます。

参考までに、現在当院で処方しているピルの一覧です。ご自身で処方されているピルをご確認下さい。

・中用量ピル
 ソフィアA
 プラノバール

・低用量ピル(OC)
 トリキュラー
 マーベロン
 ラベルフィーユ(トリキュラーのジェネリック)
 ファボワール(マーベロンのジェネリック)

・低用量ピル(LEP)
 ルナベルLD
 ルナベルULD
 ヤーズ
 ヤーズフレックス
 ジェミーナ
 フリウェル (ルナベルのジェネリック)

初出:2017年4月20日
補筆修正:2017年9月12日
補筆修正:2018年9月28日
補筆修正:2019年3月5日