ディナゲストと言えば、子宮内膜症の治療薬として有名。現在ではジェネリック医薬品の「ジエノゲスト」として処方されることが多くなりました。

このディナゲストの通常の半量、0.5mg錠が令和2年5月28日から「月経困難症」を対象に処方が出来るようになりました。


さて、子宮内膜症治療との違いですが、以下のようになります。

・子宮内膜症治療は、1mgの製剤を1日に2錠=1日2mg服用

・月経困難症治療は、半量の0.5mgの製剤を1日2錠=1日1mg服用

月経困難症の治療は、他にも

低用量ピル

ミレーナ

や鎮痛剤、鎮痙剤、漢方薬があります。また理学療法や代替医療もあります。


低用量ピルには「血栓症」が稀ではあるものの重篤な副作用として知られていますが、血栓症はエストロゲンによって起こされるため、エストロゲンを含まないディナゲストには、血栓症の副作用がないと言えます。

低用量ピルには、血栓をはじめとして、喫煙者など服用出来ない「禁忌」がありますし、血栓症リスクが高まる40歳以上や肥満の方には慎重投与、と言って処方がしづらいのですが、ディナゲストにはそのような心配がありません。

また、新型コロナウイルスに症状にかかわらず感染した場合にも血栓症のリスクが高まるため、ディナゲストのようなエストロゲンを含まない製剤への変更が勧められています

ディナゲストは子宮内膜症治療で発売されてから14年、長期にわたって服用している方もいますが、安全性はとても高い薬です。

またこの低用量のディナゲストは新薬ですが、子宮内膜症治療のディナゲストと同じ成分のため、最初から長期処方が可能です。

一方で服用中は排卵しにくくなるため、赤ちゃんを作っている方には適さない方法です。海外では黄体ホルモンはPOPと言って、避妊薬として使用されていますが、完全に排卵が抑制されるとは限らないため、日本では避妊薬として使うことはできません。妊娠を希望しない方はコンドームやIUD(子宮内避妊リング)などの避妊法を取ってください。

また、副作用は、不正出血が最もよくみられます。

月経痛(生理痛)の治療に、また一つ選択肢が誕生しました。

どの治療法が適しているか、皆さんの価値観やライフスタイル、妊娠の希望などを伺いながら一緒に考えていきましょう。

文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)

初出:令和2年5月27日
一部更新:令和2年5月28日、6月29日、8月6日
一部更新:令和3年1月4日、2月1日、4月12日、9月9日