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さまざまな効果が期待される「ラクトフェリン」サプリメント

ドイツに住む知人がコロナ禍で3年ぶりに帰国して来ました。

いろいろな話題の中で印象深かかったのが、久しぶりの日本のスーパーの商品で、乳酸菌がとても多く目についた、とのこと。

そういう目で見てなかった、と早速近所のストアへ。

なんと、ヨーグルトコーナー、拡大してますねー、びっくりしました。

さて、最近、腸内フローラや、当院でも検査を行っている子宮内フローラ、腟内の細菌叢などで「乳酸桿菌(ラクトバチルス、デーデルライン桿菌)」が注目されています。ラクトバチラス

腟内はラクトバチルスが弱酸性に保ち、他の一般細菌(雑菌)やカンジダなどの真菌が増えるのを防ぎます。

また、従来無菌と考えられていた子宮内にもわずかながら細菌が存在し、その中でもラクトバチルスの比率が高いほど受精卵が着床し、出産率が上昇しますが、ラクトバチルスが少ないと他の菌が増えて、慢性子宮内膜炎を引き起こします。

ラクトフェリンとは、母乳、特に出産後1週間くらいの初乳に豊富に含まれていたり、牛乳に含まれたりするタンパク質で、出産したばかりの赤ちゃんに限らず、人体への幅広い効能が確認されています。

ラクトフェリンは、腸内の良い菌、乳酸菌やビフィズス菌を増やし、他の細菌やウィルスに対する抗菌作用を示します。

他にも免疫や感染防御の効果、脂質代謝の改善、創傷治癒促進効果も報告されています。

また抗酸化作用、抗がん作用、骨密度を高める、歯周病の改善、抗炎症作用、鉄吸収促進作用と幅広い作用も分かってきています(日本ラクトフェリン学会HPなどより)。

妊娠中の鉄欠乏性貧血に対しては、鉄剤と同程度の効果があり、鉄剤で問題となる胃腸障害がほとんどないとの報告があります。

一方で安全性としては、牛乳から抽出される成分のため、牛乳アレルギーの方は摂取できませんが、その他のリスクはほとんどありません。

ラクトフェリン

当院で採用しているサプリメントは1ヶ月分7,290円です。

対象となる方は、

生殖医療(不妊治療)

 子宮内フローラの改善(着床環境の改善)(早い方では2週間くらいから効果がみられます)

 抗酸化作用を有するため、卵巣機能や卵質の改善 新型コロナウイルス

・感染症

 腟炎、カンジダ外陰腟炎

・その他、鉄欠乏性貧血、便秘、下痢、脂質代謝異常(高脂血症)、骨粗しょう症、副鼻腔炎、ニキビなど

もちろん健康のために服用するのもお勧めです。

文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)

(初出:平成30年6月22日)
(補筆修正:平成31年4月9日)
(補筆修正:令和2年1月20日)
(補筆修正:令和2年2月27日、3月6日、5月29日、8月27日、9月10日)
(補筆修正:令和3年3月29日、11月15日)
(補筆修正:令和4年8月12日、9月17日)