昨年より行っている「子宮内フローラ」検査ですが、結果の遅れが解消し、通常通り3週間強で結果をお伝え出来るようになりました。ご迷惑をお掛けし申し訳ありませんでした。

また、もうすぐ排卵を迎えるのでタイミング法をとる、とか、まもなく胚移植を行う予定、の方からのお問い合わせ、ご予約を頂いております。

検査は子宮内膜組織診を行いますが、子宮体がん検査に似ています。

月経期以外、また妊娠をしていない条件で、行うことが出来ますが、子宮内膜の組織を採取するため、検査直後の内膜は、着床には不向きな状態となります。
よって、上にあるお問い合わせのような時期での検査は向いておりません。

来院された際、検査の前には再度確認させて頂いて検査を施行します。

また、感染を疑う原因不明の腹痛や発熱の原因検査として希望されるお問い合わせがあります。

従来、子宮の中、受精卵が着床する子宮内膜は、無菌状態である、と考えられていました。

しかし、近年の研究で、子宮内膜にも微量の細菌が存在していることが分かってきました。

「子宮内フローラ」は、腹痛や発熱を起こさないレベルの、わずかな感染が、原因不明の「不妊症」や「流産」の原因となり得るため、検査を行っているものです。

子宮内膜の中でも、Lactobacillus(乳酸桿菌)は、腟と同様、子宮内の常在菌として存在し、子宮内環境を良い状態に保っていることが分かりました。

一方で、Lactobacillusが減少し、他の菌が増殖した状態では、受精卵が着床せず、また着床しても流産を起こす原因となり得ます。

これまでガードネラ菌や大腸菌、ウレアプラズマ、マイコプラズマなどの感染が報告されています。


原因不明不妊と呼ばれる不妊症は、従来の検査で異常がなく、また治療を行っても妊娠に至らない状態です。

中でも、体外受精など高度生殖医療を行い、妊娠率の高い良好胚を移植しても、着床せず、妊娠しない場合があります。

反復着床不全、と呼ばれる状態で、その中の3割以上に子宮内膜の慢性炎症(慢性子宮内膜炎)があり、多くの場合、子宮内の細菌叢が乱れ、Lactobacillusが減少した状態です。


これらの細菌は、とてもわずかしか存在しないため、通常の細菌培養検査では見つけることが難しく、次世代シークエンスという方法を用いてはじめて、微量な細菌を検出することができます。


産婦人科クリニックさくらでは、以下の方たちを対象に、「子宮内フローラ検査」を行っています。


高度生殖医療では、

1.良好胚移植不成功

2.流産や化学流産

3.腟分泌物(おりもの)検査で腟に腟常在菌がいない

一般生殖医療では、

1.原因不明不妊

  卵管検査後も、3〜6周期妊娠しない

2.流産や化学流産

3.不妊スクリーニング検査として

検査は内診台で子宮体がん検査に似た子宮内膜組織診で行います。検査の際の痛みと、検査後の少量の出血がみられます。

月経期以外で妊娠をしていない条件で行います。

検査費用は、

初回35,000円

2回目以降30,000円

で、税別です。検体採取料、判断料を含みます。

結果報告は通常約3週間後、外来でお話しします。

結果、Lactobacillusが少なく、他の菌が多い場合、

・抗生物質の内服

・ラクトフェリンサプリメントの服用

などを行います。

治療後再検査、または不妊治療を再開します。

まれに検査結果がエラーとなり、結果が得られない場合がありますが、この際の再検査にはコストはかかりません。

詳しくは外来診療の際、またはスタッフにお気軽にお問い合わせ下さい。

(初出:平成29年12月8日)
(補筆修正:平成29年12月13日)
(補筆修正:平成30年1月9日)
(補筆修正:平成30年1月28日)
(補筆修正:平成30年3月1日)
(補筆修正:平成30年5月26日)
(補筆修正:平成30年6月7日)
(補筆修正:平成30年6月22日)