ラクトバチルス(Lactbacillus、乳酸桿菌)の役割が注目されています。
ラクトバチラス、ラクトバシラス、ラクトバシルスとも読まれることがあります。
婦人科の領域では、子宮内と腟内のラクトバチルスが重要です。また腸内の善玉の菌として、ビフィズス菌とともに知られています。
腸内細菌としては、便通や免疫、鉄吸収などに関与します。
下痢や便秘を解消し、免疫力の増強はウィルスや細菌に対する抵抗力や、発がんを抑制する効果まで期待されます。
腸内細菌が整うと、鉄吸収が良くなり、妊婦さんの鉄欠乏性貧血を予防することも知られています。
さて、腟内がラクトバチルスで守られていることはよく知られています。ラクトバチルスは、腟内を弱酸性に保つことで、他の雑菌や真菌が侵入して増殖するのを防いでくれます。この真菌の代表がカンジダで、抗生物質を服用してカンジダ腟炎になりやすいのも、ラクトバチルスが抗生物質で減ってしまい、カンジダが侵入して増殖するため、と言うのはとても有名です。
最近では子宮内フローラ検査が可能となっていますが、子宮の中もラクトバチルスが他の雑菌の増殖を防いでくれています。ラクトバチルスが減り、他の菌が増えて慢性子宮内膜炎を引き起こし、着床障害や流産の原因となります。
着床部位である子宮内膜のラクトバチルスが重要であることは理解しやすいですが、腟内のラクトバチルスが減少しても妊娠率が低下します。
このたび、腟内に直接挿入する女性用の乳酸菌サプリメント、ラクトフローラ「フォルテ」を採用しました。
これまでも子宮内フローラがなかなか良くならない患者さんに使って頂きましたが、効果が高く、また妊娠・出産につながった方も少なくありません。
ラクトフローラ「フォルテ」は1本・10カプセル入りで4,500円(税別)です。
使用法は、腟内に指で挿入します。
おりもの(帯下)の改善には、月経期間を除いて1日2回、朝晩1カプセルずつ2週間ほど用います。
また予防の目的であれば、1日1回、10〜14日間続けて使用し、以後は数日に1回用います。
生殖医療(不妊治療)では、主に、子宮内フローラの改善目的に使用されます。
胚移植周期の月経直後から1日1カプセル、胚移植の前まで使用します。
海外・国内で、さまざまな治療に用いられており、今後とても注目されていくサプリメントです。
診察室で相談して参りましょう。
初出:令和2年6月30日
補筆修正:令和2年9月24日
補筆修正:令和3年1月13日