カンジダ腟炎には、保険適応のある内服薬があります。

薬剤名は「ジフルカンⓇ」といい、一般名はフルコナゾール、真菌(カビ)治療の薬の中ではとてもメジャーなものです。

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今回はカンジダ腟炎の治療と繰り返される再発について書きます。

治療には「オキナゾールⓇ」などの腟錠が基本で、外陰のカンジダに対しては「ルリコンⓇ」などの外用剤を併用します。
上記のジフルカンは腟錠による治療と同等の効果があるとされています。

腟錠には600mgの1回投与のものと100mgの7回投与のものがあります。
前者では1度挿入すると1週間効果があるため、便利です。

内服のジフルカンは150mgを1回服用するだけなので、これも便利です。
(ジフルカンには50mgと100mgの錠剤があり、50+100mgで計2錠、あるいは50mg×3で計3錠処方されることがあります)

外用剤、塗り薬ですが、抗真菌剤であればどの薬でもほとんど効果があります。真菌にはあまり薬剤耐性がありません。水虫(白癬菌)に対するものと同じです。

約9割はこの治療法、腟錠1回挿入、外用剤1週間継続で完治しますが、1回の治療では治りきらない、完全にすっきりしないこともあります。この場合、だめ押しでもう一度同じ方法を行ないます。

問題となるのはカンジダの「再発」です。
「私はよくカンジダになる」「繰り返しやすい」と感じる方もあるでしょう。そのたびに婦人科受診は億劫だと思います。受診までの間、不快な症状を我慢しなければなりませんし。
カンジダ腟炎の再発は、一般的には1年に4回以上繰り返す場合、とされていますので、単純に計算して3ヶ月以内の再発と考えて良いと思います。

治ったと思ったらすぐにかゆくなるので、本当に繰り返しやすい方は毎月、毎週のように婦人科通院をしなければならない、こういう場合、まずは、かゆみの原因が本当にカンジダであるか、おりものの培養検査で再検討します。かゆみにはカンジダの他、細菌感染やトリコモナス感染、ナプキンなどによるかぶれ、あるいは単なる「むれ」ではないかを見直し、またカンジダになりやすい別の病気をお持ちの場合もありますので、再発しやすい方には別途検査を行うこともあります。

現在科学的根拠のあるカンジダの再発治療法は、今回保険承認されたフルコナゾール(ジフルカン)の内服です。
当院では以前は直腸内や、肛門周囲のカンジダ治療を目的に、内服の抗真菌剤、アムホテリシンBで除菌していましたが、現在この方法は根拠がない、とされているため、この服用法は行っていません。

再発予防のためのフルコナゾールの内服は、
・150mgを 72時間毎に10 ~ 14 日間投与。
・以後 6 ヵ月以上にわたり週 1 回 フルコナゾール150mgを経口投与療法を行う
と言うものですが、ジフルカンには再発に対する保険適応がありません。
また、再発治療の保険適応を持つ薬剤がありません。

このため、当院では患者さんの負担を軽減する目的に、ジェネリック薬を用いて自費処方で行っています。

・最初に腟錠または内服による治療を行い、
・フルコナゾール150mg(50mgカプセルを3個)を3日ごとに4回服用
・その後、フルコナゾールを週に1回、150mg服用、これを6ヶ月続けます。

内服薬は妊娠中には使えませんので、治療の途中で妊娠が分かった場合には治療を中断します。
また低用量ピルの作用を増強するなど、併用する薬剤や腎機能低下の場合は処方できないことがあります。
フルコナゾールは4回分(または4週間)分、合計12カプセルで2500円(税別)です。
詳しくは外来診察室でお話します。

市販薬にかゆみをとめる成分を主体としたものがありますが、かゆみを抑えて症状が良くなっても、その間にカンジダや細菌感染が進行することがよくあり、受診時にはかなりひどい状態になっていることもあります。市販薬は、とりあえず、かゆみ止めに使ってもいいと思いますが、早いうちに婦人科受診をして診断と治療を受けてください。

*カンジダは性行為感染症(性病、STI)ではありません。皮膚や消化管に常在菌として存在しています。

(初出:2017年1月18日)