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男性の不妊検査・ブライダルチェック

男性の妊娠前、不妊検査

産婦人科クリニックさくら 不妊の原因

精液検査

 

不妊症のカップルの、原因の半数は男性因子と言われています。

男性因子では精子の数が少なかったり、動きが良くないと妊娠しにくくなります。
精液検査は精液中の精子の濃度、運動率などを調べます。

当院のデータでも、男性も年齢とともに精液所見が悪くなる傾向があります(日本受精着床学会、2019)。

最近では男性の「ブライダルチェック」として、妊活やご結婚前に、ご自分で検査にいらっしゃる方も少なくありません

 
検査適応日
  • 検査は診療日であればいつでも出来ますが、排卵期を避けた時期にお勧めします。
  • あらかじめ検査の説明書類と採取容器をお渡ししますので、診察室で医師に伝えて下さい。女性の受診がない男性の検査も可能ですが、一度外来を受診して下さい。
  • 完全予約制で、ネット予約ができます。
検査に際して
  • 精液検査の前には、3〜4日間禁欲(射精しない)期間があると検査の精度がよくなります。
  • ご自宅で採取して、タオルにくるむなど人肌程度の温度に保ち、1時間から2時間以内にお持ち下さい。時間を超えてしまう場合はご相談下さい。採取時間を必ず容器のラベルにご記入下さい。
  • ご主人に受診歴が無い場合、新たにカルテを作るため、ご主人の保険証と奥様の診察券をペアにしてお持ち下さい。

 

検査方法

産婦人科クリニックさくら 男性検査・精液検査

男性の不妊スクリーニング検査でほとんど唯一と言っていいのが精液検査です。

産婦人科クリニックさくらでは専用機器、SQA-V Gold®を用いて精液検査を行っています。
通常の顕微鏡で、精子濃度、運動率だけをみる精液検査に比べると格段に詳細な検査ができます。

例えば、「高速直進運動精子」の比率です。
運動精子には、まっすぐ早く運動している良好な精子から、動いてはいるもののあまり進みがよくないもの、動いているがその場でくねくねとほとんど進まないものなどがあります。妊娠にあずかるのは、この「まっすぐ早く」運動する精子なのです。
これまでの顕微鏡での観察では、どれくらいを早いとするか、検査を担当する人によって若干異なることがあり、施設内、施設間での成績や治療方針に差が生じていました。
器械でカウントすることは、人間の不得手な客観的な評価を可能にし、また多くの精子を同時に解析できる点が大きなメリットです。

当院で行う新しい精液検査は、この機器を用いるため、通常の保険診療で行うよりも詳細な結果が得られ、治療方針に役立たせることが出来ます。
検査は、予約制で自費検査で、7,460円(税込)かかります。

採取容器をお渡しし、ご自宅で採取して、ご本人か奥様が持参していただきます。

産婦人科クリニックさくら 男性検査・精液検査

検査結果では主に、 「精液量」「精子濃度」「高速直進運動精子数」 と、白血球、SMIという値が重視されます。

それぞれWHOが提唱している値を正常下限値としています。そして、

精液量(ml)×精子濃度(/ml)×高速直進運動精子率(%)

から精液全体に含まれる高速直進運動精子の数を計算します。

高速直進運動精子数が2000万以下では妊娠率が低いため、正常値を2000万としています。

これは関東生殖医学会でも発表した当院のデータに基づいたものです。

精液検査所見は体調やストレス等により大きく左右されることがあります。

異常所見が見られた場合、以下にその後の方針をお示しします。

  1. 再検査:精液の所見は日々変化し喫煙、飲酒、睡眠不足、ストレスなどを減らし再検査を受けることで正常値を得られることがあります。再検査は約1ヶ月以上の期間を空けて行います。
  2. 薬物療法・栄養療法:再検査を行なっても基準値に満たない場合、漢方薬、ビタミン剤、血行改善剤により、精巣血流を増やしますが、即効性に乏しいことが多いです。
    栄養成分では、亜鉛が大切なことは知られていますが、コエンザイムQ10を含むサプリメントは運動率の改善につながることが報告されています。

その他、重度の乏精子症の場合、以下の検査もお勧めしています。

    • ホルモン検査 下垂体から分泌されるホルモンによって精子形成が妨げられていることがあります。
    • 泌尿器科受診 「精策静脈瘤」などの疾患の診断をしてもらいます。
    • 染色体検査 男性の性を決めるY染色体の一部、AZFと呼ばれる領域に異常がある可能性があります。この異常は治療で授かる男児にも遺伝します。

また以下の治療が必要な場合があります。

  • 高度生殖医療(顕微授精・ICSI) 重度の乏精子症や精子無力症の場合適応となることがあります。
  • 精巣上体・精巣精子顕微授精(TESE-ICSI) 精液の中に精子がいない無精子症で、特殊な機器を用いるため、当該施設を紹介します。

 

風疹検査

妊婦さんが妊娠初期に風疹に罹ると、赤ちゃんの先天性風疹症候群の原因となります。

先天性風疹症候群は、耳や目、心臓に障害をもたらし、出生後、早くに命を落としてしまうことも少なくありません。

これまでの全国的な風疹の流行、原因は風疹抗体のない男性でした。

40〜58歳の男性は、中学生の頃の風疹ワクチンの接種対象外でした。

これは行政のミスですが、これから妊娠した奥様のため、社会の妊婦さんのため、風疹の流行を予防するためには、男性の風疹検査とワクチン接種が欠かせません。

現在、風疹の第5期定期接種が公費で行われています。

お子さんを欲しいと思う男性は、これを機に是非とも検査をお受け頂きたいと思います。

女性と異なり、男性がワクチンを接種した場合に避妊期間を設ける必要はありません。

 

サプリメント『還元型コエンザイムQ10』

 

「還元型コエンザイムQ10」は、高用量の還元型コエンザイムQ10を主成分とした男性用サプリメントで、魚油、ビタミンC、ビタミンEが配合されています。

コエンザイムQ10は、ビタミンC、Eと3~6ヶ月併用することで、精子の運動率を向上させ、妊娠率の向上に役立つ可能性がある(Koboriら、2014)と報告されています。

「還元型コエンザイムQ10」は、男性では次のような方に特にお勧めです。

  • 精液検査で運動率が低い、または良好運動精子数が少ない方
  • 漢方療法やビタミン剤など、他の方法で精液所見があまり改善しない方
  • トレーニングでダイエットしたい方

コエンザイムQ10と精液所見の改善に関する上記論文の解説記事は、こちらもご覧下さい

SOサポートは、2015.08.06発売の雑誌「Tarzan」No.678に取り上げられました。

産婦人科クリニックさくら 男性検査・精液検査 産婦人科クリニックさくら 男性検査・精液検査

掲載ページは「30代の夜の“性”活」について、でコエンザイムQ10などの抗酸化作用が、精子の「質」を高める、という内容で、お勧めのサプリメントとして、掲載されたものです。