昨年からの風疹の大流行で、大変残念なことに、この流行で4例の先天性風疹症候群がまた、都内で報告されました。

今年の風しん患者さんは、2,245人報告されています。

昨年からの流行で、昨年2,917人、あわせて5,162人が感染しています。

今年の報告患者さんの実に79%は男性です。男性のうち60%は30~40代です。感染者の約半数が30〜40代の男性なのです。

昨年は男性が女性の4.3倍多かったのですが、今年に入ってからは3.7倍、女性の患者さんの比率が増えています。女性は20〜30代に多く(女性の65%)、 妊娠を希望している世代増えているため注意が必要で、今後も先天性風疹症候群の発生が懸念されます。

今年に入って、昨年からの流行で初めての、先天性風疹症候群の報告は埼玉県でありました。
こちらのお母さんはワクチン接種歴があり、妊娠中に罹ったかどうかは不明とのことです。ワクチン接種はいつ行われたか不明、とのことで、本当にワクチンを接種していたのか、また、ワクチン効果が弱まっていたのではないかと推察されます。

流行の中心となっている30~40代の男性が、あたかも悪者のようにされてしまっていますが、もちろん罪はありません。むしろ、小児期から風疹ワクチンを接種してもらえなかった「被害者」とさえ言えます。

そこで国は、過去に風疹ワクチンの接種対象外であり、現在流行の中心である、令和元年度39〜57歳になる男性を対象に、抗体検査とワクチン接種の費用を原則無料にしました(風しんの第5期定期接種)。すでに無料クーポンが発送され、この事業は3年間行われる予定です。

この無料クーポンは、従来の自治体ごとの枠ではなく、全国の受託医療機関で検査、ワクチン接種を受けることができます。

当院でも検査に来院される男性がみられます。大変ありがたいことです。

全国では12万人以上の方が検査を受けている、と、7月17日の厚労省の感染症部会で報告されました。

 


2013年の流行では、全国で17,000人が風疹に感染し、先天性風疹症候群は45人でした。

スクリーンショット 2019-05-14 12.49.45先天性風しん症候群(CRS)の報告(2019年5月13日現在)国立感染症研究所

この表は全国の先天性風しん症候群を全例掲示していますが、2013年に32人、2014年に9人の報告以降、今年まで実に5年間、1人も報告がなかったのです。流行がなければ一人もいなかったということです。

院長も親しくさせて頂いている、 お子さんを先天性風疹症候群で亡くされた可児佳代さんのインタビュー記事を紹介させて頂きます。

2020年までに風疹を排除する目標を必ず達成しなければなりません。


現在妊婦さんが、かかるのを避けたいウィルス性疾患が流行しています。

昨夏から流行が持続している風疹

インフルエンザもここ5年間の中では最も早い流行が始まっており、沖縄県ではピーク時と同じくらいの流行となりました(現在は収束しています)。

さらに今シーズンも例年よりリンゴ病が多く持続しています。

いずれも妊婦さんにとって避けなければならないウィルス性疾患です。


風疹、麻疹、水痘、ムンプス(おたふく)は、妊娠前に抗体があるか血液検査を、抗体がなければワクチン接種して抵抗力をつけますが、妊娠中にワクチンは接種できず、またワクチン接種後は2ヶ月の避妊期間が必要です。

一方でインフルエンザワクチンは、不活化ワクチンのため、妊娠中でも受けることが出来ます

リンゴ病は残念ながらワクチンがなく、抗体検査は出来ますが、感染から身を守るには、一般的な風邪と同様、マスクの着用とうがい、手洗いくらいしか手立てがありません。

過去にかかったはず、とか、ワクチン接種した、と言う方はこちらのページもご覧ください