本格的なインフルエンザワクチン接種のシーズンになり、1日に何人もの患者さんからご質問頂きます。

今年は例年よりも皆さんの接種行動が早い印象で、当院では既に割り当てのワクチンが無くなってしまい、新規受付をお断りしている状況です。


「インフルエンザワクチンを接種したいんだけど、いつするのが一番いいのでしょうか」 

「妊娠中はインフルエンザワクチン打てませんよね?」「妊娠中でも打った方が良いのですか?」

妊娠を考えている方、妊婦さんを中心に、大変多いご質問なので、結論から。

・インフルエンザワクチンは、「妊娠を考えている方」「妊娠中(妊娠週数にかかわらず)」「授乳中」どの時期にも接種が可能です。

・妊娠中は防腐剤(チメロサール)が含有されていないワクチンが推奨されていますが、この防腐剤による、産まれてくる赤ちゃんへの影響はない、とされています(つまり、通常のワクチンでも差し支えありません)。


これらの情報は、看護師の患者さんでも「知らなかった!」とおっしゃることですので、一般の皆さんが知らなかった、と言っても、恥ずかしいことではありません。

また、接種する時期ですが、例年は、11月に入るともう既にインフルエンザの流行シーズンと言っても過言ではありません。
ワクチンの抵抗力の持続期間については、3ヶ月ほど、と言われることが多いですが、個人差が大きく、5ヶ月ほど有効なこともあり、明らかなことは分かっていません。

妊娠中には重症化するインフルエンザ。赤ちゃんを考えている方なら早めに接種されることをお勧めします。

妊婦さんには特にワクチン接種が推奨されています


以下、これまでの記事を補筆修正しました。

旧ブログのコメントにもいただきましたが、

現在は、
「妊娠を考えている、妊娠しているのが分かったという方でも、いつでもお受けになれます」

以前は、
「ワクチンの万一の影響を考え、月経期に接種しましょう。また妊娠初期は、安定期(12週)になってから接種しましょう」

となっていました。


すでに何度も書いていますが、インフルエンザワクチンはインフルエンザウィルスを部分的に量産した「不活化ワクチン」で、ウィルスとして不完全なため、感染性はありません。理論的に言えば、インフルエンザワクチン接種後にインフルエンザを発症することは無い、と言えます。

しかし、人間の身体の多様性、個体差から、またウィルスの突然変異性から、何があるか分からない、というのが今なお心配されています。
万一、ワクチンによって思わぬトラブルが発生したら、赤ちゃんに影響があったら、ということを心配して接種を控える、という考えがかつての考え方です。

最近では、上にあげた現在の考え方が広まって、妊娠を考えている方、妊婦さん、そして授乳婦さんも積極的にワクチン接種をお受けになっており、現に産婦人科クリニック さくらでも毎年のワクチン接種はとても増えています。

結論的には
・妊娠に関連したワクチンの悪影響はないため、いつでもお受けになれます。
排卵期、妊娠判定前(高温期)、妊娠判定後の妊娠初期、授乳期にいたるまで。

*妊娠中の方、通常のインフルエンザワクチンで注射部位が強く腫れてしまう方には、防腐剤が含まれていないTF製剤が推奨されていますが、妊婦さんが通常のワクチンを接種しても赤ちゃんへの影響はありません。

皆さんの価値観や流行状況によっても異なるため、外来で相談されることをお勧めします。


また、当院では妊娠中に罹ると赤ちゃんの異常や流早産の原因となる4つのウィルス、風疹、麻疹、ムンプス(おたふく)、水痘(水ぼうそう)の抗体検査やワクチン接種を、妊娠前に行うことを推奨しています。
これらは生ワクチンですので、接種後4週間、他のワクチンを打つことが出来ません。
インフルエンザは不活化ワクチンなので、接種後1週間で他のワクチンを打てます。
しかし、生ワクチンと同時にインフルエンザワクチンを接種することは可能ですので、同時接種をお勧めします

d8a0693392bdf23198b92846d4881aaf_s.jpg

(補筆修正:2016年12月6日)
(補筆修正:2017年9月26日)
(補筆修正:2017年10月3日)
(補筆修正:2018年10月20、30、31日)