月経困難症や子宮内膜症に伴う痛みに対して保険処方が可能な低用量ピル=LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤)「ヤーズフレックス®」
LEPと言ってもOC(低用量ピル)と本質的には同じです。
「ヤーズフレックス」は、最長120日間服用が可能で、特にLEPやOCによる出血でも痛みがある方、服用中でも子宮内膜症を原因とした痛みがある方には、出血する機会が少なくなることから有効な治療法となります。
また、卵巣チョコレート嚢胞がある場合、LEPやOCの周期的投与よりも内服中の縮小効果が高いとされています。
ヤーズフレックスの服用方法は、
・飲み始め
月経初日から、またLEP/OCから切り替える場合、次の新しいシートを飲み始める予定の日から。
・飲み方
最初の24日間は、出血があってもなくても連続で服用し、25〜120日目までは「連続する3日間の出血」があった場合「4日間の休薬」を、120日間服用したら「4日間の休薬」をします。
(バイエル社資料より)
*当初は途中で不正出血があることもあるので、28日に1回の定期的な出血があることにメリットを感じている方は、これまで通りヤーズなどのLEP/OCが勧められます。
詳しくわかりやすい動画はこちら
↓↓
http://whc.bayer.jp/ja/yazflex/method/
・飲み忘れてしまった場合
気づいた時点で飲み忘れ分を服用し、その日はいつも通りの1錠も服用します。
2日以上忘れてしまった場合は、飲み忘れ分のうち、1錠だけ服用し、その日の分も1錠服用します。
飲み忘れで出血が起こった場合も上記の飲み方に準じ、3日以上出血したら4日間休薬して下さい。2日以上忘れると不正出血が起こりやすくなります。飲み忘れを無くすため、下に紹介するアプリも活用しましょう。
・ヤーズフレックス、アプリの紹介
http://whc.bayer.jp/ja/yazflex/support-application/?cid=eig_mmg_tx_170501_2
・内服前、内服中の検査
当院ではOC/LEPを服用前と内服中に規定の検査を行っています。
薬価は、1シート28日分の3割自己負担で
・ヤーズフレックス 2,350円
です。
◎まとめると、
・月経痛以外で服用する場合、「OC」
(避妊、月経不順、PMS、ニキビ/肌荒れなど)
・月経痛で服用する場合で、出血を起こしたくない、血栓などのリスクを避けたい、将来的に内膜症の発生を予防したい場合、「ジエノゲスト」などのPOP
・月経痛で服用する場合で、4週間毎の決まった出血を希望する場合、「LEP」→ヤーズ(ドロエチ)、ルナベル(フリウェル)、ジェミーナ
・月経痛で服用する場合で、出血の際の痛みをなるべく回数少なくしたい、またはチョコレート嚢胞がある場合、「ヤーズフレックス」または「ジェミーナ」の連続服用
と言う選択をしてみてはいかがでしょうか。
避妊をはじめ、月経不順やPMS、ニキビ・肌荒れ、排卵痛などの目的に服用する場合は、自費処方のOCの適応となります。
OC/LEPと黄体ホルモン(POP)について解説動画を作成しました。
文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)
(初出:平成29年5月6日)
(補筆修正:平成30年9月28日)
(補筆修正:令和2年1月31日、6月9日、8月21日、10月2日)
(補筆修正:令和3年4月17日)
(補筆修正:令和4年7月18日、9月21日)
(補筆修正:令和5年8月10日、POPについて追記しました)