子宮頸ガン予防ワクチン(HPVワクチン・4価)は、小学5年生から高校1年生相当まで、助成を受けて無料で接種することができます。

最終学年にあたる高校1年生は、11月中にワクチン接種を開始すれば、3回のワクチンを全て無料で受けることができます。

自己負担の場合、4価ワクチンは3回で、当院では51,370~51,700円(税込)です。

院内でも独自の資料を作成して配布しています


平成25年に、厚生労働省はHPVワクチンの接種を、積極的に勧奨しない、と声明を出しました。もう8年の時が流れました。

これにより80%以上の女子が接種していたのに、今年度21歳を迎える2000年度生まれから激減し、2001年度に生まれた方以降は、ほぼワクチンを接種されなくなってしまいました。

しかし数年前から国とは別に、自治体の判断で個別通知を行う自治体が増えてきています。特に川崎市でも通知されたのはとても大きな変化と言えます。

2000〜2003年度に出生したみなさんの、子宮頸癌の発症と死亡率について、大阪大学より大変意義深い推計数が発表されました。

これによると、この年度に生まれた女性は、頸がんにかかってしまう方が17,000人増え、頸がんで亡くなる方が4,000人増えるということです。

4学年でこの数ですから、ワクチンを打たないことで各学年で4,000人ずつ頸がん患者さんが増え、また亡くなる方も1,000人ずつ増える、ということになります。

ワクチンを打っておけば防げた病気であり、死亡者です。

2000年度の生まれは、今年度21歳となる方たちで、子宮頸がん検診の無料クーポンが送付されています。

我々の施設でも、この世代でワクチンを打たず、現在子宮頸がんの前癌病変である異形成となってしまった患者さんが早くもみられています。
全国どこの自治体でも無料クーポンが送付されますので、これを活用して是非、子宮頸がん検診を受けて下さい。

そして1日も早い接種勧奨の再開が必要で、また「積極的に勧奨されなかった」世代への再度の助成を含めたキャッチアップ接種を行うべきと考えており、このような活動をされている方々を支援しています。


先日興味深いデータが発表され、このブログでも紹介しました。

HPVワクチンによって、17歳までに接種した場合、子宮頸がん発症がなんと0.12倍に減少したのです。

日本でも9価ワクチンを接種できるようになりました。また男性にも4価ワクチンを打てるようになりました。しかしながら、公費接種はまだ未定です。

世界で子宮頸がんを撲滅できないのは、恥ずかしながら、日本のみとなってしまいます。

皆さんの意識改革と行動変容こそ、社会を変える原動力となります。


11月は子宮頸がん予防啓発月間です。これを機に、子宮頸がん検診を1年以内に受けているか確認し、またHPVワクチンについてももう一度考えてみましょう。

子宮頸がんについて、予防法としてのワクチンと検診を、こちらでも詳しく解説しています

外来でもお気軽にご相談ください。

文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)

初出:令和2年11月5日
補筆修正:令和3年3月25日、27日、7月12日、10月30日、11月13日