令和2年12月25日、4価のHPVワクチン、ガーダシル®︎の承認事項が変更されました。

これまで9歳以上の「女性」であったものが、同じく9歳以上の「者」と変更になり、晴れて男児・男性への適応が拡大されました。

これまでは子宮頸がん予防ワクチン、と呼ばれることが多かったですが、ヒトパピローマウィルスワクチン=HPVワクチンと一般的に呼ばれるようになるでしょう。

HPVは、子宮頸がんだけでなく、尖圭コンジローマのようなSTI、舌がん、そして男性の肛門がん、陰茎がん、中咽頭がんの原因となります。

海外では例えば豪州では、すでに2013年から男子にもHPVワクチン接種が開始され、米英、フィンランドなどの北欧諸国でも同様に行われています。

日本でHPVワクチンの接種が始まった10年前に、国際HPV学会に参加する機会を頂きました。日本ではようやく女性への接種が始まったのに、発表されていたのは、すでに男性への接種とその効果が報告されており、またしても日本の周回遅れの感が否めなかったです。

そして、日本ではHPVワクチン接種が中断されてしまい、WHOからも批判される事態となってしまいました。ようやく女子の接種が再開されつつありますが、今後は男子も揃ってHPVワクチンを受ける時代になるでしょう。

男女ともにワクチンを接種し、抗体を持つことでHPVにかかりにくくなり、ひいては真の集団免疫を獲得する手段となるのです。


しかし、このような報道は大手メディアでは驚くほど全く取り上げられていません。かつてHPVワクチン批判を繰り返してきたからでしょうか。偏向報道と揶揄されても仕方ないと思います。本当に日本国民のことを思うならば、正しい報道をして欲しいと切に願います。

とある大手新聞社の記者の方とお話しする機会を得ましたが、自らが行なったかつてのHPVワクチン批判報道を反省されていました。しかし、組織としてその批判を覆す報道ができない、と。

私も自分の専門外は分かりかねますが、ポピュリズムではない、真の報道機関であってほしいと思います。

令和3年2月に接種可能となった9価ワクチンはまだ、男性への接種適応がありません。

初出:令和2年12月8日
補筆修正:令和2年12月30日
補筆修正:令和3年3月14日、7月19日