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HPVワクチンの接種、2回目、または3回目を打ち損ねてしまっているのですが。〜4月からは9価ワクチンも選択できるようになります〜

4月から積極的勧奨が再開され、また同時にキャッチアップ接種が案内されており、質問が増えています。

また、患者さんからの又聞きではありますが、間違った指導をしている医療機関もある様なので、おさらいしましょう。

今年度23歳から28歳になる学年では、8割近くの対象者がHPVワクチンを接種していました。

ほとんどのメディアがHPVワクチンの副反応をゴシップ的に取り上げ、ショッキングな映像を繰り返し流したことで、多くの保護者がHPVワクチンの接種をためらうようになり、2013年6月、ついに厚労省が日和見的にHPVワクチンを積極的に勧奨しないよう通知を出したことで、日本国内のHPV接種は、ほとんど完全に停止してしまいました。当時の生々しい記憶を留めている方も、特にこの頃の保護者の方たちにいらっしゃると思います。

6ヶ月間かけて3回のワクチンを接種するプログラムを、1回だけ、または2回だけ接種した時点で取り止めて3回終了しないままとなっている方が少なくありません。

キャッチアップ接種では、横浜市の場合、市が把握している、接種していない分の接種券を発送しています。

そこで2回目以降のワクチンを接種した方がいいのか、今からでも意味があるのか、疑問に思う方がたくさんいらっしゃいます。

また問い合せした医療機関で、「もう受けなくて良い」とか「改めて1回目から受けるよう」指導されたというケースを耳にしました。伝言ゲームのように、情報が間違った可能性はあるものの、明らかに誤っているため、所属する医師会に報告し、再度医師会員の先生方に通達してもらうよう依頼しました。


さて、解答は、

「接種間隔が空いてしまっても、残りの回数を3回目まで接種を終える」

のが、現段階では最も正しい選択です。

HPVワクチンが登場した頃にも、妊娠するとワクチンを打てなくなるため、2回目、または3回目は出産後で良い、とされていました。

海外では2回の接種が行われている国がありますが、日本では3回目の接種を終えてください。

さらに、令和5年4月からは、交互接種が認められ、またキャッチアップにも9価ワクチンが適用されます。

さまざまな情報が錯綜する可能性がありますが、どうぞ信頼できる施設でよく相談なさって接種を終えてください。

HPVワクチンについて、よくいただく質問にお答えし、動画も作成しました。令和5年度から変更となる点をアップデートしています。

またHPVワクチンに関する動画を作成しました。参考になさってください。

文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)

初出:令和4年8月2日
補筆修正:令和4年9月12日、10月24日、11月4日、19日、12月14日
補筆修正:令和5年1月16日、3月22日、HPVワクチンへのご質問にお答えした動画をアップデートしました。