子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を予防するHPVワクチン。

昨年のスウェーデンから報告に続いて、今回は英国から報告されました(Falcaro M et al. 2021)

この報告のポイントは以下の通りです。

・2008年から行われているHPVワクチン接種。

・英国居住者の1370万人を対象として、ワクチン接種した人としていない人を比較したら、接種年齢が、

12〜13歳では、リスクが87%減少。

14〜16歳で、62%減少。

16〜18歳で、34%減少。

・同様に子宮頸がんの前癌病変とも言える異形成も減少。


スウェーデンからの報告(Lei J et al. 2020)のポイントは以下の通りです。

・2006年から2017年の、10〜30代の1,672,983人の女性を対象。

・4価ワクチン(ガーダシル)を接種した女性は、ワクチン未接種に対して、30歳までの発がんリスクが0.37倍に減少。

・特に17歳までにワクチン接種した場合、未接種に対して実に0.12倍に減少。

4価ワクチンには発がん性のHPV、16、18の2つのタイプを防ぐことが出来ますが、他の10数種類に対する効果は不明です。

日本でも使えるようになった9価ワクチンでは、さらに、がん予防効果が期待されます。


日本では小6生から高1生までが、HPVワクチンの助成対象となり、無料で接種できます

スウェーデンの報告の17歳以下、と同じ条件です。

ワクチン接種は半年を要します。高1生の11月までにワクチン接種を始めましょう。


スウェーデンの報告までは、子宮頸がんの前の状態である、異形成を減らす効果のみが報告されていました。

異形成が減るのであれば、子宮頸がんも減って当たり前なのですが、HPVに感染してすぐに子宮頸がんになるわけではないので、ワクチンが登場してからまだ、特に進行した子宮頸がんの予防効果まで判定出来なかったのです。

ワクチン反対派はこの点を挙げ、異形成は減るが頸がんは減らない、と主張してきました。文面通りには正しいですが、科学的な解釈が出来ていないことになります。


HPVワクチンについて、分からないこと、心配なことはどうぞ、いつでも相談にいらしてください。

文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)

初出:令和2年10月11日
補筆修正:令和3年4月1日、7月30日
補筆修正:令和3年11月7日