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HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン) の定期接種 〜9価ワクチンの適用や2回接種など〜

HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の接種を開始する女性がとても増えています。男性の接種も少しずつ増えています。

周りの子がみんな受けている、と言う方や、周りは全然受けていないけど、と言う方も。特に定期接種の対象年齢のお嬢さんをお持ちのお母さん達の間で、やはり受けさせなければ、と話題にもなっているようです。

国もようやく積極的勧奨を再開し、横浜市でも一昨年の6月から個別通知が行われています。

HPVワクチンは、小学校6年生から高校1年生相当まで、公費助成を受けて無料で定期接種を受けることができます。

HPVワクチンには「サーバリックス®(2価ワクチン)」と「ガーダシル®(4価ワクチン)」「シルガード9®(9価ワクチン)」があります。

定期接種では、令和5年度より、9価ワクチンも接種できることになりました。また、いずれも接種を開始してから通常6か月間かけて、3回の接種を行って来ましたが、

小6生から14歳までに開始した9価ワクチンは、5ヶ月以上、通常は6〜12ヶ月空けた、2回接種が4月1日から可能となります。

また、キャッチアップ接種と呼びますが、こちらも令和4年4月から3年間、高2生から1997年・平成9年度生まれまでの女性への助成も開始されています。キャッチアップ接種にも9価を接種できます。今年9月までに接種を開始しないと3回を無料で摂取できませんので、急ぎましょう。

また3回接種は、接種間隔を工夫して最短で4ヶ月で終わらせる方法もありますので、外来で相談しましょう。

さらに、HPVワクチンも異なるワクチンを接種する(交互接種)が行える様になりました

HPVワクチンの子宮頸がん予防効果について、大変重要な報告がスウェーデンや英国から発表されました。

横浜市青葉区医師会は、子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の接種を推める声明を出しました。子宮頚癌ワクチン

当院でも、5年前まで日本人の接種者はほとんどいませんでしたが、4年前から少しずつ受ける方が増えており、公費助成では接種できませんが、令和3年2月から接種できるようになった、9価ワクチンの登場で、一気に広まっている印象です。こちらに当院でHPVワクチンを接種している方の推移をまとめました。

お嬢さんを連れていらしたお母さんに伺うと、「上の子も受けさせてたので、慌てて来ました」「ワクチンだから、受けさせて当たり前と思って」「副作用あるって聞くけど、副作用がないものなんて無いし、将来がんになるのを防げるのなら、受けさせるのが親として当然の務めと思って」「自分(お母さん自身)が異形成と診断されて、検査や手術など大変な思いをしたし、とても怖かったから」

とか、「本当は助成対象だったんだけど、副作用が騒がれたので受けさせなかった。本当はお付き合いを始める前に、きちんと受けさせれば良かった」と23歳のお嬢さんを連れて来た方もいらっしゃいます。

ようやく皆さんにワクチンの必要性が伝わってきたものと思います。

中には、これまで「市からは一切お知らせが来なかったんですね、ひどい!」と憤慨していた方も。

上のスウェーデンからの報告によると、17歳までにワクチンを接種すれば、子宮頚癌の発生を約9割減らすことができます。

このHPでも「子宮がんの予防と早期発見」の中で詳しく解説しています。

接種費用は、当院ではこの助成される

4価ワクチンは、1回あたり17,600円、3回分で51,700円(いずれも税込)

9価ワクチンは、1回あたり30,800円、3回分で91,300円(いずれも税込)

がかかります。


子宮頸がんは、80%の女性が一度は罹るとされるHPV(ヒトパピローマウィルス)が原因です。

HPVに感染して、子宮頸がんになってしまったり、前がん病変である異形成になった方は皆さん「ワクチンがあるのを知らなかった」「やっぱり打っておけば良かった」と話します。

令和3年度に21歳になった方(2000年度生まれ)たちから下の世代が、ワクチンを接種していないので、すでにがん検診での異常が目立ちます。

ご自身が異形成や子宮頚がんにかかってしまったお母様がお嬢さんを連れてらっしゃるケースも少なくありません。

子宮頸がんは発見が遅くなると子宮を摘出しなければならず、妊娠もできなくなってしまいます。子宮を取らざるを得なかったため、妊娠・出産はおろか、結婚すら諦めざるを得なかった方もいらっしゃいました。

将来の自分や大切な家族のために、HPVワクチンを接種してください。

また大切なお嬢さんの将来を考えて、保護者の方はワクチン接種を受けさせて下さい。

HPVワクチンについては、ワクチンの副反応をご存じない方もいらっしゃいます。

「副反応も怖いけど、子宮頸がんになる確率の方が高いし、子宮頸がんになる方が怖い。」

「コロナワクチンみたいな副反応があったら。。」HPVワクチンの副反応は、ほとんどないか、コロナワクチンよりずっと軽いので心配しないでください。

ワクチン接種について、診察室での相談も受けていますので、遠慮なく受診して下さい。


現在広く接種が進められているコロナワクチンとの接種間隔については、こちらをご覧ください


ティール&ホワイトリボンプロジェクト」(←このHPの、HPV、子宮頸がんの関連記事をまとめています)

HPVワクチンと子宮頸がんについて、もう一度考えましょう。

HPVワクチンと子宮頸がんについて説明動画を作成し、令和5年度版としてアップデートしました。

 

またHPVワクチンについてお寄せいただくご質問にお答えした動画を作成し、最新のデータを元にアップデートしました。

*追記する情報が多く、雑駁な記事となり申し訳ありません。随時整理しアップデートしいます。

文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)

(初出:令和元年7月25日)
(補筆修正:令和元年9月2日)
(補筆修正:令和元年11月14日)
(補筆修正:令和元年12月19日)
(補筆修正:令和2年1月27日)
(補筆修正:令和2年2月7日)
(補筆修正:令和2年3月27日、4月1日、6月18日、7月14日、9月1日、10月6日、27日、29日、11月2日、12月1日、12日)
(補筆修正:令和3年2月1日、3月5日、14日、26日、4月1日、9月1日、18日、30日、11月1日、13日、12月8日)
(補筆修正:令和4年1月31日、2月1日、3月9日、25日、27日、6月9日、25日、8月4日、10月7日、9日、21日、29日、11月15日、12月9日)
(補筆修正:令和5年1月21日、3月7日、18日、29日、4月10日、27日、7月26日、8月14日、9月20日、11月9日)
(補筆修正:令和6年1月20日)

子宮頸癌ワクチン
子宮頸がんワクチン
子宮頚がんワクチン