子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の接種を開始する女性がとても増えています。男性の接種も少しずつ増えています。

周りの子がみんな受けている、と言う方や、周りは全然受けていないけど、と言う方も。お母さん達の間で、やはり受けさせなければ、と話題にもなっているようです。

横浜市も市長が変わり、ようやく個別通知の方針となりました。前市長の時に予算を採っていなかった、とのことで、9月中の通知は不可能だそうです。が、着実に前に向いて歩き出してくれました。

8月30日、自民党の議員連盟や医療関係団体が、積極的な勧奨を再開するよう要望し、9月17日、田村厚労大臣は10月中に審議を開始する、と表明しました。

HPVワクチンは、小学校6年生から高校1年生相当まで、公費助成を受けて無料で接種することができますが、多くの自治体で個別通知(一人一人へのお知らせ)を行い始めており、大きな自治体では川崎市でも行われています。しかし大変残念ですが、横浜市は行っていないので、保護者や自分で調べて接種しなければなりませんでした。また福祉保健センターで問診票を受け取ろうとすると、職員の方の渡し渋りがあり、住民の方たちには不安を与えられてしまうようです。住んでいる自治体によって、生命の危機が起こりうると言うことは、大変由々しき状態です。

HPVワクチンには「サーバリックス®(2価ワクチン)」と「ガーダシル®(4価ワクチン)」がありますが、いずれも接種開始してから通常6か月間かけて、3回の接種を行います。

つまり高校1年生の学年の方は、9月までにワクチン接種を開始して、3月末までに全ての接種を終えれば、全額助成を受けられて、無料で接種が可能です。特例として4ヶ月で終わらせる方法もありますので、外来で相談しましょう。

令和2年10月28日より、サーバリックスは出荷調整のため、現在新たに接種を開始することが出来ません

またガーダシルも接種数が急増しているようで、納入に遅れが出ています。くれぐれもお早めにご連絡ください。

HPVワクチンの子宮頸がん予防効果について、大変重要な報告がスウェーデンから発表されました。

こちらの記事で紹介しています


横浜市青葉区医師会は、子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の接種を推める声明を出しました。子宮頚癌ワクチン

当院でも、3年前まで日本人の接種者はほとんどいませんでしたが、2年前から少しずつ受ける方が増えており、公費助成では接種できませんが、2月から接種できるようになった、9価ワクチンの登場で、一気に広まっている印象です。

お嬢さんを連れていらしたお母さんに伺うと、「上の子も受けさせてたので、慌てて来ました」「ワクチンだから、受けさせて当たり前と思って」「副作用あるって聞くけど、副作用がないものなんて無いし、将来がんになるのを防げるのなら、受けさせるのが親として当然の務めと思って」「自分(お母さん自身)が異形成と診断されて、検査や手術など大変な思いをしたし、とても怖かったから」とか、

「本当は助成対象だったんだけど、副作用が騒がれたので受けさせなかった。本当はお付き合いを始める前に、きちんと受けさせれば良かった」と23歳のお嬢さんを連れて来た方もいらっしゃいます。

ようやく皆さんにワクチンの必要性が伝わってきたものと思います。

中には「市からは一切お知らせが来ないんですね、ひどい!」と憤慨していた方も。

上のスウェーデンからの報告によると、17歳までにワクチンを接種すれば、子宮頚癌の発生を約9割減らすことができます。

このHPでも「子宮がんの予防と早期発見」の中で詳しく解説しています。

当院ではこの助成される2価、4価ワクチンは、1回あたり17,490〜17,600円、3回分で51,370〜51,700円(いずれも税込)がかかります。


子宮頸がんは、80%の女性が一度は罹るとされるHPV(ヒトパピローマウィルス)が原因です。

HPVに感染して、子宮頸がんになってしまったり、前がん病変である異形成になった方は皆さん「ワクチンがあるのを知らなかった」「やっぱり打っておけば良かった」と話します。

ご自身が異形成や子宮頚がんにかかってしまったお母様がお嬢さんを連れてらっしゃるケースも少なくありません。

子宮頸がんは発見が遅くなると子宮を摘出しなければならず、妊娠もできなくなってしまいます。子宮を取らざるを得なかったため、妊娠・出産はおろか、結婚すら諦めざるを得なかった方もいらっしゃいました。

将来の自分や大切な家族のために、HPVワクチンを接種してください。

また大切なお嬢さんの将来を考えて、保護者の方はワクチン接種を受けさせて下さい。


HPVワクチンについては、ワクチンの副反応をご存じない方もいらっしゃいます。

「副反応も怖いけど、子宮頸がんになる確率の方が高いし、子宮頸がんになる方が怖い。」

ワクチン接種について、診察室での相談も受けていますので、遠慮無く受診して下さい。

また、市や区の機関では、積極的に勧めない姿勢を取っているようです。公費負担が受けられる問診票は医療機関にありますので、公費接種を行っているかどうか確認の上、直接医療機関を受診する方が良いと思います。

令和3年2月に発売された9価のHPVワクチンについてはこちらをご覧ください。まだ助成対象とはなっていませんが、より良いワクチンが使えるようになってきます。詳しくは診察室でお話ししましょう。

現在広く接種が進められているコロナワクチンとの接種間隔については、こちらをご覧ください

文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)

(初出:令和元年7月25日)
(補筆修正:令和元年9月2日)
(補筆修正:令和元年11月14日)
(補筆修正:令和元年12月19日)
(補筆修正:令和2年1月27日)
(補筆修正:令和2年2月7日)
(補筆修正:令和2年3月27日、4月1日、6月18日、7月14日、9月1日、10月6日、27日、29日、11月2日、12月1日、12日)
(補筆修正:令和3年2月1日、3月5日、14日、26日、4月1日、9月1日、18日、30日)

子宮頸癌ワクチン
子宮頸がんワクチン
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