子宮頸がんなどの予防を目的とするHPVワクチンは、接種開始から6ヶ月の間に、3回の接種を行ないます。
4価、9価ワクチンともに基本的には初回、初回の2ヶ月後、初回の6ヶ月後、と接種しますが、
・2回目:1回目の1〜2ヶ月後
・3回目:2回目の3〜4ヶ月後
とすることも認められています。
2価ワクチンは基本的には初回、初回の1ヶ月後、初回の6ヶ月後、と接種しますが、
・1回目
・2回目:1回目の1〜2.5ヶ月後
・3回目:1回目の5〜12ヶ月後
とすることが認められています。
しかし、現在接種が進められているコロナワクチンの様な止むを得ない理由がある場合には、接種が遅れてしまうかもしれません。
その場合はどうしたら良いのでしょうか。
答えは、接種可能になったら、なるべく早く接種して下さい、です。
接種間隔を遅らせる、接種期間を規定以上に長引かせることは推奨されていませんが、海外臨床試験の結果で、2回目や3回目の接種が遅れた場合でも、抗体反応は良好で、通常のスケジュールに劣らなかったという医学論文(Zimmerman RK et al. 2010、LaMontagne DS et al. 2013、Russell K et al. 2015)などが、4価、9価ワクチンを製造しているMSD社のHP(医療関係者向けのページ)で紹介されています。
いずれにしても、接種についてご心配な点は、どうぞ遠慮なくおたずね下さい。
文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)
初出:令和4年1月6日
補筆修正:令和4年1月7日、3月2日