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HPVワクチン接種を「最短で終えたいのですが」〜接種間隔のご質問〜

子宮頸がんなどの予防を目的とするHPVワクチンは、接種開始から6ヶ月の間に、3回の接種を行ないます。

昨年4月からは14歳までに接種を開始すると、9価ワクチンは5~12ヶ月後に2回目の接種を行う2回接種が可能になっています。

4価、9価ワクチンともに基本的には初回、初回の2ヶ月後、初回の6ヶ月後、と接種しますが、

・2回目:1回目の1〜2ヶ月後

・3回目:2回目の3〜4ヶ月後

とすることも認められています。

また14歳までに9価ワクチンを接種開始した場合、2回接種が選べて、この場合は、初回、初回の6ヶ月後に接種しますが、

・2回目:1回目の5〜12ヶ月後

とされています。


2価ワクチンは基本的には初回、初回の1ヶ月後、初回の6ヶ月後、と接種しますが、

・1回目

・2回目:1回目の1〜2.5ヶ月後

・3回目:1回目の5〜12ヶ月後

とすることが認められています。

しかし、現在接種が進められているコロナワクチンを受けなければならない様に、止むを得ない理由がある場合に接種が遅れてしまうかもしれません。

その場合はどうしたら良いのでしょうか。

答えは、接種可能になったら、なるべく早く接種して下さい、です。

添付文書では、「1年以内に3回の接種を終了することが望ましい」とされています。

接種間隔を遅らせる、接種期間を規定以上に長引かせることは推奨されていませんが、海外臨床試験の結果で、2回目や3回目の接種が遅れた場合でも、抗体反応は良好で、通常のスケジュールに劣らなかったという医学論文(Zimmerman RK et al. 2010LaMontagne DS et al. 2013Russell K et al. 2015)などが、4価、9価ワクチンを製造しているMSD社のHP(医療関係者向けのページ)で紹介されています。


また令和5年度からの定期接種交互接種など、いろいろと複雑でわかりにくいことも多いですね。

接種についてご心配な点は、どうぞ遠慮なくおたずね下さい。

その他HPVワクチンについて、HP内のリンク一覧はこちらをご覧ください

接種間隔をはじめ、HPVワクチンについてよくいただくご質問にお答えする動画を作成しました。最新のデータをもとに再収録・アップデートしましたので、お知らせします。

また、HPVワクチンや子宮頸がんについて、動画を作成して説明しています。こちらも令和5年度版にアップデートしました。


文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)

初出:令和4年1月6日
補筆修正:令和4年1月7日、3月2日、7月28日、8月2日、10月5日、20日、11月3日、17日、12月10日
補筆修正:令和5年3月14日、4月13日、28日、7月27日、8月15日、9月4日、21日、 12月31日
補筆修正:令和6年1月23日、3月29日