この記事に関して、新しいお知らせが二点あります。
一つは、今年最終年となる高1生の定期接種と27歳までのキャッチアップ接種の方たちのですが、この記事にある接種間隔を「短縮スケジュール」とすることで、本来は3月末までの無料接種が可能です。
まだ間に合う!? 高1生と27歳までのキャッチアップ接種、無料接種の開始。
しかしながら、全国的に9月末を目指してワクチンを接種した方が予想以上に多かったことから、ワクチンの供給に制限が生じており、当院への入荷も予定通りに行っていません。
HPVワクチン「シルガード9」は、当院での新規の接種開始、予約外の方への接種ができません。
よって、上の記事にあるように、当面当院で新たに接種を開始することはできませんし、予約外での接種もできません。
また、大変心苦しいのですが、予約を承っている方にも接種ができない可能性があることをお伝えしなければなりません。
この記事の目次
HPVワクチンの短縮スケジュールは?
子宮頸がんなどの予防を目的とするHPVワクチンは、接種開始から6ヶ月の間に、3回の接種を行ないます。
昨年4月からは14歳までに接種を開始すると、9価ワクチンは5〜12ヶ月後に2回目の接種を行う2回接種が可能になっています。
4価、9価ワクチンともに基本的には初回、初回の2ヶ月後、初回の6ヶ月後、と接種しますが、
・2回目:1回目の1〜2ヶ月後
・3回目:2回目の3〜4ヶ月後
とすることも認められています。
つまり、最短では4ヶ月で接種を終えることが出来ます。
また14歳までに9価ワクチンを接種開始した場合、2回接種が選べて、この場合は、初回、初回の6ヶ月後に接種しますが、
・2回目:1回目の5〜12ヶ月後
とされています。
2価ワクチンは基本的には初回、初回の1ヶ月後、初回の6ヶ月後、と接種しますが、
・1回目
・2回目:1回目の1〜2.5ヶ月後
・3回目:1回目の5〜12ヶ月後
とすることが認められています。
逆にHPVワクチンの接種はいつまで遅らせて良い?
体調不良や急な予定など、止むを得ない理由がある場合に接種が遅れてしまうかもしれません。
その場合はどうしたら良いのでしょうか。
答えは、接種可能になったら、なるべく早く接種して下さい、です。
HPVワクチンの添付文書では、「1年以内に3回の接種を終了することが望ましい」とされています。
接種間隔を遅らせる、接種期間を規定以上に長引かせることは推奨されていませんが、海外臨床試験の結果で、2回目や3回目の接種が遅れた場合でも、抗体反応は良好で、通常のスケジュールに劣らなかったという医学論文(Zimmerman RK et al. 2010、LaMontagne DS et al. 2013、Russell K et al. 2015)などが、4価、9価ワクチンを製造しているMSD社のHP(医療関係者向けのページ)で紹介されています。
接種についてご心配な点は、どうぞ遠慮なくおたずね下さい。
その他HPVワクチンについて、HP内のリンク一覧はこちらをご覧ください。
よくいただくご質問にお答えします。
接種間隔をはじめ、HPVワクチンについてよくいただくご質問にお答えする動画を公開しています。
また、HPVワクチンや子宮頸がんについて、動画を作成して説明しています。
文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)
初出:令和4年1月6日
補筆修正:令和4年1月7日、3月2日、7月28日、8月2日、10月5日、20日、11月3日、17日、12月10日
補筆修正:令和5年3月14日、4月13日、28日、7月27日、8月15日、9月4日、21日、 12月31日
補筆修正:令和6年1月23日、3月29日、10月5日、19日