平成29年から、我々も所属している日本産婦人科医会が中心となり、日本産科婦人科学会、厚労省をはじめとした各省、都道府県市区町村、国立感染症研究所、日本医師会、小児科、耳鼻科、など各学会が2020年、東京五輪、パラリンピックの年までに国内で風疹を流行させない取り組みを開始しました。
2月4日を風疹(ゼロ)の日とし、2月を”風疹ゼロ”月間と位置づけて啓発活動を行っています。
1.先進国の中でも日本は風疹の抗体保有率が低く、流行しやすい環境です。
2.妊娠中の感染が、お腹の赤ちゃんの先天性風疹症候群のリスクとなります。
3.30〜50代の男性は風疹ワクチンを接種していないため、特に感染のリスクが高く、また妊婦さんへの感染源となり得ます。
→平成31年度(令和元年度)からはじまった、この世代の男性を対象とした「風しん第5期定期接種」についてはこちらをご覧下さい。対象となっている方のうち、実に75%の方がまだ検査を受けていません。
4.アジア諸国、東欧、アフリカなどでは風疹が常に流行しています。渡航前に抗体検査やワクチンをお受け下さい。
産婦人科クリニックさくらではかねてより風疹のみならず、赤ちゃんの病気を起こしたり、流産、早産、死産の原因となる麻疹(はしか)、ムンプス(おたふく)、水痘(水ぼうそう)の抗体(免疫力)があるか、なければ妊娠前のワクチンの接種を推奨しています。
妊娠を考える前に検査とワクチンを。男性の方が抗体を持たないことが多いですから、男性の皆さんもぜひ、目を向けてください。
抗体検査は血液検査で結果は1週間で出ます。
ワクチン接種後は2ヶ月の避妊期間が必要ですから、妊娠に取り組む前に検査をお勧めしています。男性はワクチン接種後の避妊は必要ありません。
コロナワクチン接種前後2週間は、インフルエンザワクチンを除く他のワクチンを受けることができません。
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(初出:平成29年2月3日)
(補筆修正:平成30年2月3日、15日)
(補筆修正:平成31年4月19日)
(補筆修正:令和3年1月25日)
(補筆修正:令和4年2月14日、6月25日、8月8日)
(補筆修正:令和5年7月4日)