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妊活からの必須サプリメント「ビタミンD」を摂取しましょう。

「ビタミンD」は、日光を浴びることで体内で作られ、骨を作る栄養素として知られていますが、実は妊娠しやすい体づくりにも深く関わっています。 そして残念なことに、日本人の多くがこのビタミンDが不足しています。

過去に当院では、血液検査でビタミンD濃度を確認したうえで不足している方にサプリメントをお勧めしてきました。 しかし、このビタミンD検査は保険適用外(自費診療)となっており、保険診療で不妊治療中の方には追加して検索することができなくなってきました。

そこで、ビタミンDは葉酸に次いで、妊活中の方に基本的に摂っていただきたい必須サプリメントであり、当院での検査結果からも摂取を始めていただくようお勧めしています。

なぜ「基本的に摂りましょう」なの?

現代の日本人は、屋内で過ごす時間が長いことや紫外線をカットする日焼け止めや化粧品の使用などにより、日光からビタミンDを作らなくなりがちです。また、魚やキノコ類の摂取量が減ったこともビタミンD減少につながっています。 そのため、性別・年齢を問わず、98%の日本人がビタミンD不足の状態にあると報告されています(Miyamoto H et al. 2023)。

当院で妊娠を希望する女性80名を対象に血中ビタミンD濃度(25OHD3)を測定した際にも、サプリメントを服用していない方のうち、20ng/ml未満(不足)だった方が60%、30ng/ml未満(理想値未満)だった方は94%にものぼりました。 館出張佐藤病院の佐藤雄一院長が発表されているデータでも、不妊治療中の方の9割がビタミンD不足という、当院とほぼ同様の結果が報告されています。

つまり、検査をするまでもなく、妊活中のほとんどの方はビタミンDが不足している可能性が高いということで、葉酸と同じように基本的な摂取をおすすめしています。

妊娠への効果は?

ビタミンDは、良い卵子を育てたり、受精卵を子宮に着床しやすくする作用があります。体外受精を受けている女性2,700名分のデータを統合したメタ解析でも、体内のビタミンDが充足している方は、不足・欠乏している方に比べて出産率が高いことが報告されています(Chu J et al. Hum Reprod. 2018)。

また、排卵障害を起こす多嚢胞性卵巣(PCOS)の方(Jaafar B et al. 2026)や、精液所見が良くない男性(Jensen MB et al. 2016)でも、ビタミンDが不足している傾向があるという研究結果があります。

卵巣予備能を示すAMH(抗ミュラー管ホルモン)についても、当院のデータではビタミンDと緩やかな正の相関がみられ、AMHが低い方ほどビタミンDも低い傾向にありました。

サプリメント開始後の妊娠率は?

当院でビタミンDサプリメントの服用を開始した方について、開始からの月数ごとの妊娠率を調べたところ、1ヶ月目はまだ妊娠率が高くなく、2ヶ月、3ヶ月と服用を続けるうちに徐々に妊娠率が上昇し、6ヶ月の時点で最も高い妊娠率となりました。

服用を初めて子宮内膜が厚くなり妊娠された方もいらっしゃいます。

ビタミンDの補充を3ヶ月続けても妊娠しない場合は、他の治療法も併用することをおすすめします。

その他の効果は?

近年では子宮筋腫の発生に関与する興味深い報告が散見されます。血液中のビタミンD濃度が子宮筋腫のリスクを軽減させる(Guo W et al. 2022)と言うものです。ビタミンDが充足している女性は、不足している女性に比べて子宮筋腫がある割合が32%低いという報告(Baird DD et al. 2013)もあり、子宮筋腫のサイズにも影響する(Hajhashemi M et al. 2019)ことが報告されています。

コロナや花粉症と同様、ビタミンDが免疫機能を調整・改善することがその理由と考えられています。

他にもビタミンD補充が妊娠高血圧症候群リスクを42%、妊娠糖尿病リスクを45%下げたとの報告(Kartasurya MI et al. 2025)や月経困難症(Lin KC et al. 2024)、アレルギー性鼻炎症状の緩和(Surayya R et al. 2025)があり、血中ビタミンDの充足が乳がんリスクを低減(Estebanez N et al. 2018、Song D et al. 2019)させることも報告されています。

ビタミンDには免疫機能を調整する働きがあり、それがこれらの効果の背景にあると考えられています。

妊婦さんのビタミンD不足が、産まれた後の赤ちゃんの湿疹、食物アレルギーにも関係します(Psaroulaki D et al. 2023)。

もちろん、骨を作るという最も基本的な働きも重要です。血中ビタミンD(25OHD3)が20ng/ml未満の女性は、30ng/ml以上の女性に比べて骨折リスクが2倍程度高いというデータも複数あります(Cranney A et al. 2007、)。妊娠前から妊娠中、授乳中と、継続することが、赤ちゃんの骨の形成(Javaid MK et al. 2006)と出産後のママの骨量低下を予防(Jensen KH et al. 2020、Capozzi A et al. 2021)する可能性があるのです。

ビタミンDの摂り方は? 〜食事・日光浴・サプリメント〜

ビタミンDは紫外線を浴びることで体内でも作られますが、必要な日照時間は季節や地域、肌質によって大きく異なり、はっきりとした目安は確立されていません。紫外線の弱い季節や北日本にお住まいの場合は、日光だけで十分な量を確保するのは難しいのが実情です。また、美容面や皮膚がんのリスクからも日焼けは避けたいところでもあります。

食品では、きくらげやあん肝、きのこ類、魚介類にビタミンDが豊富に含まれています。ただし、日々の食事だけで十分な量を摂るのは簡単ではないため、サプリメントでの補充が現実的な方法です。

当院で採用しているビタミンDサプリメントは、オメガ3系脂肪酸も含有したもので、1日1カプセル(25㎍、1,000IU)を2ヶ月分1,620円(税込)でご案内しています。

また、マルチビタミンミネラルサプリメントの「ウィメンズマルチ」にも、同量のビタミンDが含まれており、葉酸やヘム鉄、亜鉛をはじめ、妊娠を目指す方・妊娠中の方に必要な多くのビタミン・ミネラルが配合されています(1ヶ月分4,860円・税込)。

当院で扱っているBABY&MEのサプリメントは、

BABY&ME公式サイト

で、直接購入もできます。

ビタミンDは1日1カプセルでは不足を補いきれない場合もあり、その際は1日2〜4カプセルに増量していただくこともあります。当院で扱っているサプリメント一覧もあわせてご参照ください。

まとめ

ビタミンDは、妊娠しやすい体づくりや妊娠経過だけでなく、骨や免疫、アレルギーなど女性の健康全体に関わる栄養素です。そして、多くの妊活中の方がこのビタミンD不足の状態にあります。

血液検査(25OHD3測定、自費3,410円・税込)で数値を確認することもできますが、まずは葉酸に次ぐ基本のサプリメントとして、ビタミンDの摂取を始めていただくことをおすすめします。ご心配な方や、より詳しく数値を確認したい方には、検査もご案内可能ですので、診察時にお気軽にご相談ください。

よくあるご質問(FAQ)

ビタミンDの検査をしないとサプリメントを飲めませんか?

いいえ、検査は必須ではありません。むしろほとんどの妊活中の方がビタミンD不足の傾向にあるため、葉酸と同じように、検査をしなくても基本的な摂取をおすすめしています。数値を確認したい方には自費検査(25OHD3測定、3,410円・税込)もご案内していますので、ご希望の場合はお申し出ください。

どのくらいの量を、いつから飲めばよいですか?

目安は1日1カプセル(25㎍、1,000IU)からで、脂溶性ビタミンのため脂っこい食後に服用すると吸収が良いとされていますので、夕食後をお勧めしています。妊娠を意識し始めた時点から、葉酸とあわせて服用を開始して下さい。

飲みすぎによる副作用は心配ないですか?

ビタミンDは極端な過剰摂取が続くと高カルシウム血症などのリスクが指摘されています。当院でご案内している用量の範囲であれば通常心配ありませんが、自己判断で増量することはしないで、診察時にご相談ください。

他の葉酸サプリと一緒に飲んでも大丈夫ですか?

問題ありません。すでに葉酸などのサプリメントを摂取している場合、ビタミンDが含まれていなければ、そこにビタミンDをプラスしていただくイメージで大丈夫です。

妊娠したら、ビタミンDはやめてよいですか?

妊娠中の赤ちゃんの骨の発育や妊娠合併症、感染症・乳がんの予防の観点からも、妊娠後も継続していただき、授乳が終わるまで続けることをお勧めしています。

ビタミンD不足かも、と思ったら

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文責 桜井明弘(院長、日本専門医機構認定産婦人科専門医)

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初出:平成29年3月12日
補筆修正:平成30年1月16日、9月26日、10月4日
補筆修正:令和元年7月23日、8月19日
補筆修正:令和2年3月26日、5月10日、18日、6月4日、8月12日
補筆修正:令和3年3月27日、12月8日
補筆修正:令和4年7月9日、10月21日
補筆修正:令和5年1月12日、5月9日、10月3日、23日
補筆修正:令和6年1月23日、4月12日、7月21日、22日、8月22日、9月29日
補筆修正:令和8年1月27日、7月19日、21日