ホルモン補充療法(更年期障害)に用いる天然型黄体ホルモン製剤「エフメノ®」カプセルのご案内です。
エフメノカプセルの特徴は、
・ホルモン補充療法(HRT)で唯一、保険適応のある黄体ホルモン製剤です。
・卵巣から本来分泌される天然型黄体ホルモンです。
・子宮内膜増殖症の発症抑制効果があります。
ホルモン補充療法に黄体ホルモンを併用するのは、子宮体がんの前癌病変である子宮内膜増殖症と子宮体がんの発症予防のためです。
国内の臨床試験では、子宮内膜増殖症の発症はありませんでした。
・乳がんリスクはジドロゲストテロン(デュファストン®)と同等です。
ホルモン補充療法で黄体ホルモンを併用するのは、子宮体癌を予防する目的の一方で乳がんのリスクとなります。
これまで乳がんリスクが最も低い黄体ホルモンは、デュファストンでした。直接比較試験はされていませんが、エフメノの乳がんリスクはデュファストンと同等です。
・持続的投与と周期的投与があります。
以下に示すように、エフメノは2通りの内服方法があります。
より子宮内膜増殖症のリスクを減らすのが持続的投与なので、お勧めしています。
・持続的投与は、
エストロゲン製剤を開始と同日から、エフメノを1日に1カプセル服用します。
どちらも間隔を空けずに連日続けます。当初は少量の不正出血がありますが、やがて出血はなくなることが期待されます。
・周期的投与は、
エストロゲン製剤(当院ではル・エストロジェル®を勧めています)を開始して2週間後から2週間、エフメノを1日に2カプセル服用します。
内服終了後に出血が見られますが、みられないこともあります。当初は内服中に少量の不正出血がみられることがあります。
・エフメノは、食後の内服を避け、就寝前に服用します。
食後の服用が、薬剤の血中濃度を高めたり、少ない副作用ですが、傾眠と不動性めまいが報告されているためです。
・副作用は不正出血が最も多いですが、ホルモン治療のため、他の製剤でも同様です。
・薬剤費は保険診療で、月に2,000円くらいです。
・長期処方(最長3ヶ月処方)も可能です。
文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)
初出:令和4年1月18日
補筆修正:令和4年5月26日、8月8日、9月5日、10月6日、11月2日、12月1日
補筆修正:令和5年3月27日
補筆修正:令和6年1月5日、4月3日、5月13日、デュファストンの供給制限を削除しました。