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妊娠初期のマイナートラブル 「少しなんですが、出血がありました」「つわりがなくなっちゃった。。」「赤ちゃん、大丈夫でしょうか。。」

妊娠したばかりのいろいろな症状や生活習慣、妊婦さんにとってはどんな症状も心配になってしまいますよね。

そもそも妊娠の前から、「生理が来る感じ」を自覚する方も少なくありません。

生理が来そう、生理痛が起こりそう、胸が張るから、だるいから。。

そもそも月経が来る前の黄体期=基礎体温でいう高温期は、妊娠するための準備期間ですから、「生理が来る直前」と「妊娠した」のは、このころ同じような症状が出やすいです。

不妊治療に通院されている患者さんが、生理が来る前とおんなじだから絶対生理来る!と思ったら、妊娠でした、と言うこともあります。

また妊娠反応陽性の後、少量の性器出血や軽度の腹痛がみられることが少なくありません。

性器出血は少量の茶色、ピンク、がよくみられますが、あたかも生理の始まりみたいな、とか、生理始まっちゃいました、と言うレベルまで様々です。出血とは自覚せずに、茶色のおりもの(茶おり、と略語がよく使われるようになりました)と思っている方も。

腹痛は、生理が来そうな感じ、とか、引っ張られる、つる感じ、くらいが多く、中には鎮痛剤を使用するくらいの痛さを自覚する方もあります。

またつわり症状も出てくることがありますが。。

妊娠反応が出たのですが、全く元気なんです。

つわりが全く無いんです。

からだに変化が無いから、また、つわりが無いから心配です。流産とか、子宮外妊娠(異所性妊娠)とか。。妊娠がうまく行っていないのではないでしょうか。。

上にもあげた性器出血や腹痛、つわりなど、妊娠の初期にみられても異常が無いことも多く、反対に、妊娠すると必ずみられる症状でもありません。

確かに流産された方で、つわりが急になくなった、とおっしゃる方もいらっしゃいます。つわりの原因はまだ解明されたとは言えませんが、妊娠性のホルモン、hCGが関係していることは間違いありません。ふたごなどの多胎妊娠はhCGが高くなりますが、多胎妊娠でつわりが強いことからも明らかです。

しかし、つわりには栄養状態や精神状態など、多くの影響する因子があり、必ずしも妊娠がうまく行っていない、とは言えないのです。

むしろ悪阻がなくなっちゃった。。と来院される方のほとんどは、赤ちゃんは元気に育っています。

少量の性器出血、軽度の腹痛、つわりの消失など、必要以上に心配せずに、次の検診で診察して頂ければ良いと思います。どうしても心配な方は受診を検討して頂きますが、救急外来に受診する必要はありません。

しかし特に子宮外妊娠(異所性妊娠)が疑われている方は、性器出血、腹痛がみられた場合には急いで受診をお勧めします。


妊娠すると便秘になりやすくなります。もともと便秘なんかなったことがないのに、と言う方もです。逆に多くはありませんが、下痢しやすくなる方も。

長い間、お通じが出ないと、出すのが大変になりますのですし、下痢も含めて妊娠中も治療ができますので、受診の際に先生に相談しましょう。


妊娠したばかりの生活習慣についてもよくご質問頂きますが、日常生活はこれまで通り、激しい運動、飲酒、喫煙は禁止です。

つわりも出て来やすい時期なので、細かい食事内容などはあまり気にせずに、食べたいものを食べましょう。脱水を起こしやすい季節です。水分は飲めるもので構いませんので、なるべく摂るようにしましょう。

妊娠されたばかりですが、これを機に

乳がん検診

・シーズン中のインフルエンザワクチンを接種

を再度確認してください。

コロナワクチンの接種も是非お願いしたいのですが、今年10月から開始されるコロナワクチン接種の対象に、妊婦さんが含まれているか未定です。何より感染予防に努めて下さい。

*ここでいう妊娠初期、は、妊娠4週、5週から、安定期に入る前の11週くらいまでを想定しています。

文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)

補筆修正:令和3年2月19日、5月4日
補筆修正:令和4年8月18日、12月25日
補筆修正:令和5年5月26日、12月25日
補筆修正:令和6年7月5日、7日、8月19日「茶色のおりものが出ました」「つわりが軽くなっちゃいました」「運動はしてもいいですか?」「基礎体温下がっちゃいました」「妊娠反応でたけど元気なんです。。」