「『妊娠出来るか』がわかる検査をして下さい」
とか
「妊娠するために何をやったらいいですか?」
「妊娠する方法、必ず妊娠出来る方法を教えてください」
不妊治療(生殖医療)やこれから妊娠を希望される方から時々尋ねられるご質問です。
文面からは伝わりにくいのですが、ニュアンスとして、「これをやったら妊娠する」と言う回答や「妊娠できるかどうかがわかる検査」を求められています。
「検査」と言った場合、例えば血液検査などで1回で分かると思ってらっしゃる方も少なくないと思います。
卵巣に残る卵子の数を測る、AMH(抗ミュラー管ホルモン)を採血で検査するのも一つです。6月からは保険適用となりました。
妊娠できるかどうかがわかる検査は、裏を返せば妊娠できない、あるいは妊娠しにくい原因がないかを検査しなければならず、以下のリンク先にあるように、不妊スクリーニング検査は項目が多く、月経周期のどの頃に検査するか、と時期が決まっているものもあります。
赤ちゃんが欲しい方に、これらの検査項目を全て行うわけではありません。
不妊期間や年齢、これまでの妊娠経験、また月経周期などを伺い、優先順位をつけて検査を行っていきます。
急げば1ヶ月で検査は終わりますが、再検査を行ったり、治療効果を診たり、と、数ヶ月かかることもありますし、受診に制限がある場合は、無理せずに来院できる時に検査を行います。
女性は1ヶ月の月経周期の中でも、月経期、排卵期、着床期にはそれぞれその時しか出来ない検査があります。そして、それらはとても重要な検査ですが、今周期、検査が出来なければ次の周期に来院して頂きます。
また、妊娠するためにできること。
基礎体温をつけたり、これらの検査をお受けになることももちろんですが、恐らく生活習慣で出来ることを質問されたのだと思います。
治療以外に、どんなことをしたら妊娠しやすくなりますか?
個人個人の体質や生活習慣などがあまりにも大きく異なるため、一概にアドバイスするのは難しいです。
生活習慣の基本は、「食事」「運動」「睡眠」で、他にも「婦人科検診」や「歯科検診」など、とても多岐に渡ります。
サプリメントなどで、体質改善をはかるのも一つです。
妊娠を考えたら、こちらのページ「赤ちゃんを作るための作るための生活習慣へ」も参考にして下さい。
2015年に、院長が「あなたが33歳を過ぎて妊娠できない44の理由(幻冬舎)」という生活習慣の改善を提唱した書籍を上梓しました。
ここでは、上に挙げた生活習慣や、「性交渉」などの夫婦関係についても述べていますので、是非お手にとってお読み頂きたく思います。
また、体外受精などの生殖補助医療を考えている方を対象とした説明動画を公開していますが、この第1部の内容が、生活習慣の見直しの提案です。こちらもどうぞ是非ご覧下さい。
文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)
初出:平成29年9月14日
補筆修正:平成30年7月21日
補筆修正:令和2年7月10日、16日
補筆修正:令和3年1月5日、9月22日、11月9日
補筆修正:令和4年2月24日、7月22日
補筆修正:令和5年1月5日、2月17日
補筆修正:令和6年5月30日、6月16日、AMHの保険適用について追記しました。