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赤ちゃんを作るための生活習慣へ

赤ちゃんが欲しいと思ったら

産婦人科クリニックさくら 赤ちゃんが欲しいと思ったら

赤ちゃんが欲しいと思ったら

  • 生活習慣の見直し
  • 必要なサプリメントの摂取
  • 基礎体温をつける
を始めてみましょう。

生活習慣の見直しを始めましょう。
妊娠をするために、「日々やっておいた方が良いこと、自分で努力できることはありますか?」

これはきっと、治療は医療施設で行われるものであるが、それ以上に自分自身でも努力したい、と言う皆さんの気持ちの表れでしょうね。

これをやったら、とか、これを食べたら妊娠できる、と言う単純なものは残念ながらありませんが、妊娠、生殖、という現象は、生物としての人間の身体が、やはり健康でなければなりません。

健康を維持する、と言うこと、特に不妊治療で最近話題となってきている、アンチエイジングの観点から、お勧めの生活習慣をまとめました。

アンチエイジングは、お肌や見た目がどうしても注目されますが、ここでご紹介していくのは、様々な臓器のアンチエイジング。
その中には当然、卵巣や子宮が、また男性にも当てはまります。

エイジングは様々な原因がありますが、「酸化ストレス」など、当院では「食事」「運動」「睡眠」について重視しています。

 

☆食事は、血糖値の上昇が酸化ストレスとなります。

  • 朝食をしっかり摂る、昼食と夜は控えめに。
  • 血糖値の急激な上昇を抑えるため、食べる順序は、野菜、植物性、動物性のタンパク質、炭水化物、の順に摂り、最後はビタミン、ミネラルの補給です。

例えば、
サラダ→豆類→魚介類→肉類→根菜→米、小麦→果物の順に摂る、これがゆっくりとした血糖値の上昇を促します。

よくみると、和食やフレンチ、イタリアンのフルコースは、大体この様な順番でサーブされますよね。つまりコース料理は、古くから伝えられてきたアンチエイジングの食べ方なのかもしれません。

  • 外食を控え、おうちで調理を。
    特に新鮮なお野菜を購入することが大切です。
    「徹底的に洗浄された」切り売りされているサラダなど、特に水溶性ビタミンやミネラルがすっかり洗い流されているものと考えます。新鮮なお野菜を購入し、切りたてのものを召し上がるのがいいでしょう。
  • タバコはもちろん、アルコールも控えましょう。
    赤ちゃんが欲しいカップル、まもなくパパとママになるんですよね。お腹に赤ちゃんを授かったり、おっぱいあげながらタバコ吸いますか? 子供の前では吸わない、のは意味がありません。
    またアルコールも第10回メディカルモール・たまプラーザ健康講座でもお話ししましたが、意外と少ない量でも妊娠しにくくなります。
    妊娠を考えるなら禁煙、節酒、に切り替えてください。

☆運動する習慣を持っていますか?

  • 最低でも週に2日、30分以上の有酸素運動をしましょう。
  • 有酸素運動は、少し汗をかくほどの早歩きでも十分です。
  • 体重が多い方、BMIが29.5を越えると、また16.0を下回る場合、妊娠してもほとんど流産してしまい、出産が出来ません。

BMIは、このように計算します。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

ex. 身長160cm、体重56kgでは、56(kg)÷1.6(m)÷1.6(m)≒22です。

BMIは、22が理想体重(標準体重)とされています。これは、最も疾病率が低く(病気をしない)、最も長生きをするからです。

またBMI 21.5が最も排卵障害が少なく、やせても体重が増えても、排卵しづらい傾向が強くなります。

普通体重は18.5〜25とされ、特にBMIが30を越えると妊娠、出産時の合併症がとても多くなり、施設によっては妊娠を控えるよう指導されることもあります。

食事、運動について、より効果的なパーソナルトレーニングをお受けになってみてはいかがでしょうか。

☆睡眠で得られる抗酸化作用、メラトニンの働きは重要です。

  • 脳の松果体から、暗くなると分泌されて眠気を誘うホルモン、メラトニンはビタミン類よりも強力な抗酸化作用を持っています。
  • そのメラトニンは年齢とともに分泌が減少します。
    メラトニンをたっぷり放出させるには、22時に就寝が理想的です。
  • 部屋の明かりは真っ暗に。
    就寝前2時間くらいは、テレビやPC、スマホなど、明るいものを凝視することは控えましょう。お部屋の灯りを落として、読書タイムなどはいかがでしょうか。
  • 年齢とともに低下するメラトニンは、サプリメントのように補充することができます。

そしてもう一つ、

☆歯周病チェックを行っていますか?

  • 歯周病は現代人にとって、多くの方が気付かないうちにかかっています。
    定期的なデンタルチェック、お口のメンテナンスを行いましょう。
  • 歯周病は不妊の原因となり、その影響は肥満と同じくらい重要です。

歯周病については、ブログ記事「妊娠したいな、と思った時に、デンタルチェックをした方が良いのはなぜ?」もご参照下さい。


以上のように、なかなか、これだけやったら、と言うものはなく、全てを一度に改善するのは難しいかもしれません。
でも、よく見ると子供の頃に言われたことも多くありませんか? 親や祖父母が教える生活習慣には、健康を導き出すヒントがたくさん隠されているのかもしれません。

サプリメントのご案内

妊娠に必要なビタミン、ミネラルなどの栄養素。

妊娠を考えたら、まずは「葉酸」をサプリメントで摂取しましょう。

妊娠中には様々な栄養素が必要ですが、特に妊娠する1ヶ月前から摂取する必要があるのは葉酸です。最近では妊娠した赤ちゃんだけでなく、妊娠前の卵子の質を高める報告もありますにで、理想としては3ヶ月くらい前から摂取したほうが良いと思います。

「葉酸不足がもたらす病気」
葉酸と神経管閉鎖障害

妊娠初期に葉酸が不足することで、胎児の神経管閉鎖障害の危険性が高まります。神経管は発達すると脳や脊髄になる器官で、この部分に障害が起こると赤ちゃんの中枢神経の異常(無脳症や歩行困難、尿・便失禁などの症状を来す二分脊椎など)が発症します。

先進各国や周辺国では葉酸摂取が進んでいる一方で、日本人妊婦の葉酸摂取率は4割ほどにとどまり、無脳症の発症は各国で低下しているものの、残念ながら日本では減っていません。

葉酸と悪性貧血

葉酸が不足することで体内の赤血球が正常に作られず、重症の貧血を引き起こします。

葉酸と妊娠高血圧症候群

葉酸とホモシスティン・活性酸素の関係から、葉酸が妊娠高血圧症候群の発症を予防出来るとされています。さらに赤ちゃんの成長が妨げられた「子宮内胎児発育遅延」の予防効果の可能性も考えられています。
⇒葉酸を沢山含む食品を料理に取り入れる必要がありますが、葉酸(ビタミンB9)は「熱に弱い」「水に溶けやすい」と言った弱点があり、通常の食生活では不足しがちになり、手軽に摂取できるサプリメントが各国で積極的に推奨されています。

葉酸をはじめ、当院で扱っているサプリメントなどはこちらをご覧下さい

☆葉酸は妊娠中期になったら服用を終了しましょう。

卵巣の機能を維持し、酸化(老化)を防ぐサプリメントについて、詳しく紹介しています。

基礎体温

基礎体温の変化は排卵日や月経の予測、妊娠の判定に役立ちます。

基礎体温を測ることにより、月経周期や排卵など、女性ホルモンの動きをチェックすることが出来ます。
また、基礎体温のパターンを知ることで、自分の健康状態を把握することにも役立ちます。

  • 毎朝、目が覚めたら起き上がる前に(トイレに行く前に)、ふとんの中で基礎体温計(婦人体温計)を用いて、舌の下で体温を測り記録して下さい。
  • 体温は体を動かすとすぐに上昇します。毎日の変化が気になったり、自分の体温は異常ではないかと思われる方も多いですが、不妊診療に大切な排卵日の決定や高温期(黄体期)の評価に重要なので、一緒に日々の変化を見てみましょう。上手く測れなかった日があったり、測り忘れてしまった日があっても大丈夫です。
  • 測った体温は表やアプリを利用して、受診時に必ず持参して下さい。

【基礎体温からわかること】

  • 排卵の有無
  • 妊娠しやすい時期の推測
  • 次の生理の予測
  • 着床(=妊娠)に欠かせない黄体ホルモンの正常な分泌
  • 体調や気分が良い時期、悪い時期(月経前症候群や排卵痛との関係など)
  • 不正出血と排卵の関係(妊娠しにくいものではないか)
  • 妊娠や流産の早期チェック
  • 妊娠した時期を推定
  • 更年期症状の早期発見

他にも色々な情報が得られます。

基礎体温は、普段はメモリ式の体温計や、様々なアプリなどを利用し、数ヶ月のデータを保存しておくことをお勧めします。

妊娠を考えるカップルの、生活習慣改善を提案した動画を作成し公開しています。