最近妊娠に必要な栄養素として注目される一方で、
不足しがちなビタミンの一つにビタミンDがあります。

ビタミンDは、良い卵子を作り、また受精卵が子宮に着床させやすくする作用があると言われています。

また排卵障害を起こす多嚢胞性卵巣(PCOS)や精液所見が悪い方でもビタミンDが不足しているという研究結果もあります。

他にも妊娠中の合併症を予防したり、月経困難症、乳がんの予防にも繋がると言われています。

ビタミンDは、紫外線を浴びたり食事から摂取したものが体内で、活性型ビタミンDとして合成され、様々な効果が産み出されます。
紫外線を浴びることは特に女性には敬遠されがちですが、紫外線を適量浴びることはビタミンD不足の解消につながります。

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そのビタミンD、血液検査で「25OHD3」を測定することで血液中の濃度がわかります。

当院のデータを紹介します。妊娠を考えている方80人の血液中のビタミンD(25OHD3)を測定しました。

血中ビタミンD濃度測定

当院で販売しているサプリメントで、ビタミンDを含んでいる「VD」や「MVM」などを服用している「前治療あり」と服用していない「前治療なし」に分けて比較すると、サプリメントを服用している方のほうが、当然ですが、ビタミンDの濃度が高い傾向がありました。

服用していない「前治療なし」のうち、多嚢胞性卵巣(PCOS)の方は、人数が少なかったのですが、さらにビタミンDが低い傾向がわかりました。

さて、年齢とビタミンD濃度の関係ですが、

血中ビタミンD濃度と年齢の関係

ビタミンDを服用していない人では、ビタミンD濃度は年齢と関係がないことがわかりました。

そして、ビタミンD濃度は最低でも20〜30を保つ、理想は30以上でありますが、前治療の有無でビタミンD濃度の割合をみてみました。

前治療有無の血中ビタミンD

「前治療あり」では、20を下回るのは31%でしたが、何も治療をしていない左の方たちでは、20を下回るのが実に60%、30を下回るのは94%にも上りました。

館出張佐藤病院の佐藤雄一院長のデータ、不妊患者さんの9割がビタミンD不足、と全く同様の結果となりました。

次に卵巣予備能を表すAMH(抗ミュラー管ホルモン)との関係ですが、AMHが低値なほどビタミンDも不足している傾向があります。

当院でのデータも、

AMHと25OHD

AMHとビタミンDの濃度には緩やかな正相関がありました。つまり、AMHが低ければビタミンDも低い、ビタミンDが高ければAMHも高い、と言う傾向です。
一方で、不足したビタミンDを補うことで妊娠率が上昇するそうで、グラフの中に枠で囲ったビタミンDが30未満でAMHが2未満の方は、ビタミンDによってAMHの改善と妊娠率の向上が期待できると言うことになります。

さて、ビタミンDの治療によって、どれくらい妊娠が改善されたでしょうか。VD治療による妊娠率

このグラフはビタミンDの治療を開始している方のうち、その月にどれくらいの方が妊娠したかをみたものです。

1ヶ月目はまだ妊娠率は高くなく、2ヶ月、3ヶ月と経過するうちに、6ヶ月で最大の妊娠率となりました。
VDサプリメントを1本、つまり2ヶ月で止めてしまった方も少なくないので、せめて半年は継続して欲しいと思います。

また他のデータ解析から言えるのは、

・検査後に妊娠した方たちは、妊娠しない方たちに比べて、25OHD3とAMHはほとんど同じでしたが、平均年齢が1歳若かった。

・治療後3ヶ月しても妊娠しない場合は、他の治療法も併用する。

・ビタミンDが低値であっても治療しない場合、3ヶ月ほど妊娠しなければ治療を開始する。

などです。

さらにビタミンD、もっと多くのことが分かってきています。
例えば大変多くの方が悩んでいる花粉症も、ビタミンDの不足が関係しており、ビタミンDの補充で改善するとか、妊婦さんのビタミンD不足が、お腹の赤ちゃんが産まれた後のアレルギー疾患に関係するなど。


体内のビタミンDを調べる血液検査、25OHD3は、「不妊症」では保険適応がなく、産婦人科クリニックさくらでは、自費検査で2,750円(税別)で行っています。
残念ながら今は自費検査ですが検査会社さんのご好意により、皆さんになるべく負担をかけないよう、
価格設定することが出来ました。

検査は月経周期など関係なく行うことができます。
約3週間で検査の結果が分かります。

ご希望の方、お話をして必要な方には随時お勧めさせていただきます。

では、ビタミンD、結果が低かった場合、どうしたらよいのでしょうか。