本日4月9日(子宮の日)は、産婦人科クリニックさくら、開業記念日です。

おかげさまで12年を迎えることが出来ました。12年、干支が1周しました。それにしてもあっという間の12年でした。

これからも変わらず、皆様の健康増進や赤ちゃんが授かれるよう努力して参りますので、よろしくお願いいたします。

 

さて、2月2日に、一般不妊治療の説明会と理学療法のイベントを行いました。

その際に参加者の方から、どうして歯周病にかかると、不妊になるのか、といったご質問を受けました。

歯ブラシ

以前から妊婦さんが歯周病に罹っていると早産や低出生体重児が発生する可能性が高くなることが知られています。

妊娠すると、女性ホルモンのエストロゲンや黄体ホルモンの分泌量が多くなるので、高エストロゲン・黄体ホルモン環境を好む歯周病菌が増加するのです。

また、つわりも口内環境に影響を及ぼし、唾液の分泌が減って口の中が乾くことも歯周病菌の増加につながります。

この歯周病菌がプロスタグランジンという子宮収縮作用を持つ物質を発生させ、早産や低出生体重児の発生につながってしまうのです。

妊娠すると、自治体によりますが、母子手帳と一緒に『妊婦歯科健診受診券』が交付され、無料で歯科検診を受けることが出来るのは、歯周病による早産を防ぐためです。

妊娠を考えている若い女性に、歯周病の人は少ないと思われがちですが、軽い症状も含めると実は半数くらいの女性が歯周病だと言われています。

歯周病は自然治癒することがありません。

またサイレントディジーズ(Silent Disease:静かなる病気)とも表現されるようにひどくなるまで病気と自覚されることの少ない病気です。

そのまま放置しておくとその歯の寿命が短くなるばかりか、健康な歯にも悪影響をおよぼし、お口の中全体が悪くなっていきます。

また最近では、糖尿病や高血圧、脂質異常(高脂血症)などの全身疾患との関係も明らかになってきており、まさに「歯周病は万病のもと」とも言えるでしょう。

そして初期の歯肉炎であれば、比較的短期間で治療が終了することもありますが、中等度以上の歯周病の場合には、比較的長期間、治療にかかる場合が多いようです。治療後も引き続きメインテナンスが不可欠で、定期的な受診が必要です。

不妊治療では、エストロゲンや黄体ホルモンなど足りないホルモンを補うことがよくあります。

アメリカ歯周病学会の研究報告では、ホルモン治療のため、不妊治療を受けている女性に歯周病菌が増えてしまうのではないか、と言われています。

妊娠前であっても歯周病菌が増えると免疫やホルモンバランスに影響を及ぼす可能性が有り、生殖機能の低下が懸念されています。

また、西オーストラリア大学の研究チームは妊娠を遅らせる要素として「35歳以上」「過体重か肥満」「喫煙」を挙げていますが、調査からわかったのは歯周病があると、肥満と同じくらい妊娠への悪影響があると言うことです。
妊娠が遅れるリスクは、歯周病ではない女性が6.2%に対して、歯周病の女性が13.9%、と実に2倍以上の差が出ています。

このような理由で、産婦人科クリニックさくらでは、妊娠を希望している方たちにデンタルチェックをお勧めしています。
痛みがある、ないではなく、病気になる前に定期的に健診に行くことは非常に大事です。病気を早期発見し、未然に防ぐことが健康の基本です。

参考文献
・『あなたが33歳を過ぎて妊娠できない44の理由(幻冬舎)』桜井明弘
日本臨床歯周病学会HP

本記事は、当院の生殖医療相談士、食生活習慣指導士の、馬場恵子が執筆しました。