不妊の原因として、年齢の因子はとても大きいですが、年齢とともに妊娠しづらくなってしまうのは、ほとんどが卵巣・卵子が原因です。

一人目の治療で、受精卵を凍結し、二人目が欲しくなった時にその受精卵で妊娠をすることができますが、その間に子宮が老化しちゃいませんか?という質問があります。

例えば子宮筋腫や子宮腺筋症が年月とともに大きくなったり増えたり、増悪したり、着床しづらくなると言うことはあり得ますが、正常の子宮であれば、年齢的なマイナスの変化はほとんど考える必要がありません。

これもあまり強く言うと失礼に思われるかもしれませんが、子宮はとても単純な臓器で、エストロゲンや黄体ホルモンにとてもよく反応します。

つまり、卵巣からのホルモン分泌が年齢とともに低下しても、ホルモン剤を使うことで、子宮は妊娠に適した状態を比較的簡単に作ることが出来るのです。

例えば、海外では閉経した女性が、若い女性の卵子の提供を受けたり、若い女性の卵子で代理出産することがあります。

若い卵子があれば、閉経後も女性は妊娠できる可能性があるのです。


それゆえ、ご自身の卵子をなるべく若いうちに凍結保存する受精卵凍結(胚凍結、受精卵バンク)などが推奨される一方で、子宮には面倒なケアが、ほとんど必要がありません。

今現在は妊娠する状況にないが、近い将来、または数年後に妊娠を考えている、そういった場合にも生殖補助医療(高度生殖医療)を行い、受精卵凍結を行うことがありますが、妊娠までの間、子宮がん検診など、一般的な子宮のケアを続けていれば良く、必要に応じて治療を受ければよい、と言うことになります。

文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)

初出:令和2年4月27日
補筆修正:令和3年7月26日、12月22日
補筆修正:令和4年2月17日、6月1日