最新のお知らせ

「妊娠糖尿病」と言われた方は、出産後も糖尿病に気をつけて年に1度は検査を受けて下さい。

過去に行われた市民講座のお知らせで、「妊娠高血圧症候群にかかった方たちのその後の健康管理」について書きました。

同じように妊娠中に「妊娠糖尿病」と診断された方、決して少なくないのですが、この方たちは、出産後、糖尿病が治っても、その後のリスクが、7.43倍も高くなるそうです。

そして、日本国内では、糖尿病予備群の方を含めて実に2,000万人の方が糖尿病だそうです。

多くは40-50代で発症しますが、若い方でも、やせている方でも少なくはありません。

糖尿病検査、皆さん受けたことはありますか? 通常の検診では、40歳以降は行われることが多いのですが、若い世代では検診項目に含まれないことがほとんどです。

どこで受けられるのでしょうか。

婦人科外来でも血液検査を行うことが出来ます。

どうして、婦人科で糖尿病検査を? 産婦人科と糖尿病、とても多くの関わりがあるのです。

・妊娠糖尿病

・流産

排卵障害、特に多嚢胞性卵巣(PCOS)。またこれらを原因とした不妊症。

カンジダ腟炎

更年期障害

子宮体がん

などが上げられます。

妊娠糖尿病は、糖尿病や妊娠中に糖尿病を発症した場合、インスリンというホルモンの作用で、赤ちゃんが標準体重より大きかったり、心臓の病気を発症することや、産まれた後で低血糖を起こすことがあり、妊娠中の合併症としてはとても重要な病気です。

また、糖尿病の方は流産を繰り返すことがあるため、妊娠を希望している方は一度検査を受けることが大切です。

排卵障害、特に多嚢胞性卵巣の方は、インスリン抵抗性という状態であることが多く、インスリン抵抗性を改善すると排卵できるようになる場合があります。

繰り返す陰部のかゆみ、カンジダ腟炎も糖尿病の方に多く発症します。

やがて女性は更年期、閉経を迎えますが、この頃から更年期障害が出てくることがあります。様々な自覚症状がありますが、検査してはじめてわかる、骨粗しょう症や高血圧、脂質異常症(高脂血症)とともに、糖尿病も出てきやすくなります。

そして子宮体がんも糖尿病患者さんはリスクとなります。


このように、女性のライフステージの中で、若い頃から閉経後まで、糖尿病が関わっています。

検査は、血液検査で、産婦人科クリニックさくらでは、「随時血糖値」と「HbA1c」を測定しています。
この検査の前に食事制限は必要ありませんので、いつでも来院して検査して頂けます。

精密検査や治療が必要な場合は、内科の先生を紹介させて頂いています。

(初出:平成30年11月14日)
(補筆修正:令和元年9月28日)
(補筆修正:令和3年7月16日、10月31日)
(補筆修正:令和4年10月17日、11月26日)
(補筆修正:令和5年10月2日)