新年あけましておめでとうございます。謹んでお慶び申し上げます。
さて、世界中の全ての人が影響を受け、生活を変えざるを得なかった新型コロナウイルスの大流行。オリンピックをはじめ、ほとんどのイベントが中止となりました。
我々の人生でこんなことが起こるなんて。1年前、令和2年のお正月には、こんな1年になるなんて、誰一人想像できませんでした。
3、4月の第1波の頃は、外出も止められ、出勤すらままならず、今から思うと絶望的な空気も流れていました。
しかし、コロナによって、オンラインで交流や仕事をするようになったり、一層の清潔習慣が身に付くなど、我々は悪影響を良い影響に変えるようにしてきました。
とはいえ、親しい家族や友人と会うことも憚られるようになったり、会食や旅行を控えざるを得ない状態がまだ続きそうです。
さて、昨年は、産婦人科にとって大きかったのは、コロナによる影響で、生殖医療の延期が提唱され、実際に妊活を見合わせるカップルもあり、ますます少子化が進む懸念があります。
現状では妊娠中のコロナによる影響は、妊娠後期に重症化する恐れがあるものの、妊娠を控えなければならないほどではありません。
そして菅内閣の発足により、少子化対策として、不妊治療の保険適応と、適応前の助成要件の拡大が、また不妊治療を受けやすい制度の整備などが検討されています。
実際の保険適応は来年令和4年4月の診療報酬改定からの予定で、今年から助成金要件が緩和される予定です。
最後にこれまで接種が控えられてきた子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の接種者増加と、男児・男性への適応拡大です。
繰り返されるネガティブキャンペーンにより、厚生労働省も接種を「積極的に勧奨しない」としたために、現在ではワクチン接種者は、0.3%、そして0.0%にまで落ち込みました。
しかし、一昨年頃からワクチン接種者が増加傾向にあり、昨年秋以降は大変増えて来ました。
ほとんどの場合はお母さんが連れてらっしゃいます。
「ワクチンがあるのに打つのが常識と思って」
「娘に将来、子宮がんになって欲しくないから」
「接種してないのは日本だけなんですよね?」
「周りの子が打っているから、うちも、と」
様々なきっかけがあり、一人一人伺っているのですが、共通するのは、情報が少なすぎる、このようなワクチンがあったことを知らなかった、と言うものです。
これから女性に限らず、適応拡大された男児・男性にも向けて情報発信を続けていかなければなりません。
また、生殖医療(不妊治療)においては、一昨年、これまでで最も高い出産率を、高度生殖医療では達成することができました。
昨年のデータはこれから集計して発表しますが、今年も最高の成績を目指し、スタッフ一同、臨んで参ります。
コロナで傷ついた我々、日本社会、世界を癒しながら、妊娠を希望される方たちが安心して妊娠、出産、育児ができるよう、大切な将来を担うお子さんたちの癌予防ワクチンを啓蒙し、一人でも多くの方が接種されるよう、進めていきたい、そんな1年としたいと考えています。
全ての方にとって、心から笑い合える佳き年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。