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排卵障害とHCG注射

LHサージ不全

卵胞が発育しない、狭義の「無排卵」とは異なり、卵胞発育は見られますが、
排卵のきっかけ(トリガー)となるLHサージが起こらない状態です。

下垂体から分泌されるホルモンには、LHとFSHがありますが、FSHは卵胞発育に、LHは発育した卵胞を排卵させる働きがあります。

簡単に言えば、FSHが卵胞を育て、LHが最後の仕上げをする、ということです。

下垂体の機能異常では、LHもFSHも分泌されない状態と、LHだけ、あるいはFSHだけ分泌がよくない状態もあります。

FSH分泌が正常で卵胞発育は起こる、ただLH分泌が異常なためLHサージが起こらず卵胞が排卵しない、といった病態がこのLHサージ不全です。

卵胞発育にはFSHだけでなく少量のLHが必要なため、この病態の方は卵胞発育が遅い、排卵遅延を伴うことが多いです。

治療はクロミッドなどの排卵誘発剤で卵胞発育を助けることもありますが、仕上げはhCGのLH作用で排卵させます。

妊娠を希望する前では、クロミッドで卵胞発育のくせをつけるように刺激をしておくか、黄体ホルモン投与だけで毎周期消褪出血を起こしておくか、の治療を選択します。

次に卵胞が十分発育してもLHサージが起こるのが遅い病態、について説明します。