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どんな検査や処置に痛みが伴うの?
産婦人科クリニックさくらで行っている検査や処置の中で、痛みを伴うものは、
・IUS(ミレーナ®︎)、IUDの挿入
・子宮脱のペッサリーの挿入、抜去
です。
体がん検査は全く痛みを感じない方もいらっしゃいますし、また子宮内フローラ検査、ERA検査、IUS、IUDの挿入も痛みは軽いことがほとんどです。
卵管通水検査も、無痛、という方はずっといらっしゃいませんでしたが、最近無痛でした、とお二人の方がいました。
卵管の通りが良い方は痛みは強くないことがほとんどです。
いずれの検査、処置も、経腟分娩の経験がある方で痛みが軽い傾向があります。
検査や処置はペッサリーを除いて、いずれも子宮内にアプローチするので、その後の痛みは子宮の収縮痛が多く、これは生理痛や出産後の子宮収縮に似ており、通常の鎮痛剤が効果あります。
しかし、検査や処置の際の痛みは、その前に鎮痛剤を投与したり、神経ブロックを行うことで痛みを軽くできる可能性があります。
どんな方法があるの?
当院で採用している3つの方法を紹介します。
・ボルタレン座薬
最もオーソドックスで、効果が高い鎮痛剤です。月経痛などでも使われることが多いです。当院では高度生殖医療の採卵前にも用いています。
稀に血圧が低下することがあったり、他の鎮痛剤でアレルギーのあったことがある方には使用できません。
効果がでるまで、少し時間が必要なため、30分ほど経ってから検査・処置を行います。
・ナイキサン内服
国際的なシステマティックレビューの代表と言える、Cochrane Libraryでもその効果が議論されています。国内では癌性疼痛にも用いられる、鎮痛効果の高い薬剤です。ボルタレンもナイキサンも、ロキソニンより効果が高いです。
ボルタレンと同様にアレルギーのある方は使えません。また効果が出る、内服後30分くらいに検査・処置を行います。
・傍頸管ブロック
流産手術や子宮鏡下手術でも使われる方法で、最も効果が高く、また速効性があります。用いているのはメピバカインという局所麻酔剤で、高度生殖医療の採卵の際にも用いています。
過去に局所麻酔でアレルギーのあった方は使えません。
副作用として局麻中毒や、注射部位からの出血があります。
ご心配な方、また以前に同じ検査や処置で痛い思いをされた方は、検査前に相談しましょう。
鎮痛剤は効果が出るまでに30分ほどかかりますので、予約時間よりも早めにお越しください。受付締め切り直前のご来院では対応しかねる場合があります。
文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)
初出:平成31年4月12日
補筆修正:令和2年2月8日
補筆修正:令和3年10月19日