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AMH(抗ミュラー管ホルモン)が生殖補助医療以外でも保険適用となりました。

簡単に卵巣年齢、と表現されることもある、卵巣の予備機能を知る検査の一つがこの抗ミュラー管ホルモン(アンチミュラリアンホルモン)です。

英語の頭文字をとってAMHと呼ばれています。

皆さんの卵巣には、原始卵胞という、これから排卵する卵胞(卵子が入った袋)が準備されています。女の子としてこの世に誕生し、思春期を迎えてから月経が始まりますが、この原始卵胞はものすごい勢いで消費されていきます。

お母さんのお腹にいた、妊娠6ヶ月でこの原始卵胞は700万個もあるのに、思春期ではすでに20-30万個に、30歳過ぎで10万個、40歳を過ぎると1万個となります(Acta Endocrinol,1972:Supple 166:18-41)。

「1か月に1個だけ」は排卵する卵胞の数で、失われる卵子の数ではありません。

そして、この卵胞が消費しつくされた状態、それが閉経です。


同じ年齢でも非常に個人差が大きいのですが、一般的に35歳くらいを境に卵巣機能が低下、これは妊娠しにくくなってくる、と言う意味でもあります。その大きな原因は、良い卵子から消費されたり、加齢や栄養、卵巣への血流などの影響が相まって、卵巣の環境が衰え、あまり良いとは言えない卵子しか残らない状態になるのです。

AMHはその残っている卵子の数を、つまり卵巣予備能を検査することが出来る方法で、

これまで体外受精などの生殖補助医療(高度生殖医療)を受けている方のみが保険適用とされてきましたが、令和6年6月の診療報酬改定で、生殖補助医療を受けていない方にも保険適用となりました。

AMHを測定するのは、

・生殖補助医療を行う方で、卵巣刺激法の選択に用います。

・一般不妊治療を行なっている方で、生殖補助医療へのステップアップなどの参考にします。

・まだ妊娠を希望していない、またいつ頃から作ったらいいんだろう、いつまでに作り始めたら大丈夫だろうか、という疑問にお答えするため、また皆さんがご自身の卵巣予備能を理解することで、今後の人生設計を見直すきっかけになったら、と考えて検査を行う場合には、以下に示すよう自費診療で行われることがあります。

検査方法は血液検査で、

・自費検査では検査会社さんのご協力により現在は4,510円(税込)で行うことが出来るようになりました。

・保険適用は、一般不妊治療や生殖補助医療を行っている方で、1,800円で6か月に1回、受けることができます。

結果は詳しく説明させて頂きます。是非一人でも多くの方が今後の輝く人生のため、「私の未来のために」お受けになることをお勧めします。

次のページでは当院のAMHの成績を詳しくお伝えしています。