新年明けましておめでとうございます。

令和改元後、初めての新年、皆さま佳き年を迎えられたこととお慶び申し上げます。


昨年は令和改元や消費増税、また幾たびの自然災害に見舞われたり、皆さまの生活にも少なからず影響があったことでしょう。

産婦人科クリニックさくらでは、昨年もいくつもの新しい新しい取り組みを始めましたが、主な3つをご紹介すると、

まず、3月に新しい子宮筋腫治療薬「レルゴリクス」が処方できるようになりました。

当院でも臨床治験を行ったため思い入れがありますが、これまでにない新しい治療薬と期待されています。またその作用を応用し、体外受精など高度生殖医療でも採用しています。

そして7月より開始したオンライン診療

来院しなくても検査結果を聞いたり、自費診療では治療薬が送られたり、また保険診療では処方箋が送られたり、と、遠方の患者さん、通院時間に制限がある患者さんには、今後利用が広がるものと思われます。

最後に乳がん検診です。

乳がんは全世代で患者さんが増えています。ピークは40〜60代ですが、20代後半からは注意が必要です。

婦人科の3大がんは、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんですが、合わせて年間3万人の患者さんが新たに増えています。しかし、乳がんは9万人。実に婦人科がんの3倍の患者さんが増え続けているのです。

婦人科健診と同様、乳がん検診もなかなか受診機会がない方も多いです。婦人科で乳がん検診を行うのはとても大切と考えます。

特に妊娠を考えている方、ピルを服用している方には20代からの検診を勧めています。


さて、昨年から今年の婦人科を取り巻く問題点と展望に触れます。

平成25年6月に、厚生労働省が、定期接種とした子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)を「積極的に勧奨しない」と声明を出しました。

それから6年以上、日本のHPVワクチンの定期接種率は70%台から現在0.3%台に低下したままとなっています。

こんな国は先進国はもちろんですが、世界各国ほとんど例がなく、日本はWHOなど国際機関から非難され続けています。

政治的決断がなかなかされないまま、日本人女性だけが、世界でワクチンを打ってもらえない状態が続いているのです。

しかし、昨年は、この異常事態を打開しようと、いくつかの自治体や医師、実業家の活動が見られるようになってきており、産婦人科クリニックさくらでも例年にないワクチン接種数となりました。とてもありがたいことです。

私は横浜市青葉区医師会の理事を務めており、青葉区医師会はHPVワクチンを積極的接種を勧める声明を出す意見を理事会に提出し、全会一致で可決していただきました。

これまで滞っていたHPVワクチン接種の再開の一助となることを願っております。


また年末には、厚生労働省からショッキングな発表がありました。

これによると、令和元年の推計出生数は86万4,000人で、平成30年の91万8,400人よりも5万人減る予測となりました。

団塊世代ジュニアが45〜50歳となっているため、今後出産する世代の人口が減り続けますから、出生数が増えることは予想できません。

少子化は成熟国家が必ず辿る現象で、日本ももちろん避けては通れませんが、フランスのように女性のキャリアと出産、育児を両立させる政策に1日も早く取り組まなければならないと思います。

女性が産まなければならないのではなく、産みたい女性が機会や経済的な理由でチャンスを奪われてしまうことを避けなければならないと思います。

妊娠には様々な因子、複雑な仕組みがあります。

どれを欠いても妊娠できません。

妊娠を考える前から、婦人科で検診を受けたりワクチンを接種したり。将来の妊娠に備えて子宮内膜症や子宮筋腫などの疾患の治療に取り組むなど。

女性にばかり負担がかかるようですが、妊娠して出産することは女性にしかできないし、女性だけが実感できる幸せであります。

一人でも多くの妊娠を希望される女性が希望を叶えられるよう、我々も全力で応援したいと思っています。


今年は東京オリンピック、パラリンピックも開催され、多くの感動、パワーを与えられることでしょう。

皆さまの幾久しい弥栄を願ってやみません。