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コロナウイルス感染で精子が減少する。男性不妊の原因となる可能性も。

当院の患者さんでも、コロナ感染後に精液検査を受けて、結果が良くなかった患者さんがみられています。

国立国際医療研究センターの忽那賢志先生(現在大阪大学)が、Yahoo!ニュースに書いて下さった記事があります。

コロナウイルスが精液から検出されたり、精巣組織にあることが確認された報告をきっかけに、その後イタリア(Gacci M et al. 2021)やドイツ(Maleki BH and Tartibian B. 2021)で感染後の精子減少や無精子症が報告されています。

ドイツからの報告では、コロナ感染後60日が経過しても精子の数が回復しない状態が詳細に書かれています。

知人の男性も、コロナウイルス感染後に経時的に精液検査を行って、精子数が減少し、ほとんど運動しなくなってしまったことをSNSで報告してくれました。

ウイルス感染の中でも、ムンプス(おたふくかぜ)は精巣炎の原因となり、男性不妊となる可能性があります。

コロナウイルス感染によって引き起こされる精子減少が、一時的なものでいずれ回復するのか、その後ずっと続いてしまうものなのか、感染から115日(中央値)経ち、精子の運動率と運動精子数が減少している、という報告があります(Pazir Y et al. 2021)。

病気は罹るまでなかなかその怖さを実感しませんが、若くしてコロナウイルスに感染し、その結果、将来妊娠できなくなったら、、これはとても恐ろしいことです。

コロナ感染した方は、一度、精液検査を行ってみてはいかがでしょうか。当院でも感染前より悪くなっている方がいらっしゃいます。

また、これ以上の感染を予防するために、ワクチン接種を考えてください3月までコロナワクチンの秋接種を受けられます

文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)

初出:令和3年5月26日
補筆修正:令和3年5月29日
補筆修正:令和4年7月19日、9月12日、10月21日、12月19日
補筆修正:令和5年3月7日、10月5日
補筆修正:令和6年1月16日