診察室でよく頂く質問です。

体外受精など、高度生殖医療を行っている方で、採卵をする周期の夫婦生活、つまり性交渉はどうしたらよいか、と言うものです。

タイミング法を行っている場合でも、排卵期にしか性交渉をしない、ご主人がマスターベーションをしない場合、精液所見が悪いことが多いです。射精する回数が多いほど、良い精液の状態が保たれます。

精子は絶えず作られているからです。

つまり、赤ちゃんを考えているなら、排卵期はもちろんですが、性交渉は多くても差し支えない、と言うことです。

さて、採卵をする周期も、通常は性交渉を持って下さい。

卵巣刺激で卵胞がたくさん出来てくるとお腹が張った症状が出ることがありますが、この場合は腹痛の原因となるため、性交渉は控えた方が良いです。

また3日後くらいに採卵の予定となったら、性交渉、マスターベーションを控えた方が良いでしょう。それは、採卵日に精液を採って頂きますので、その際に精子の数が減ってしまわないようにするためです。

また、採卵では卵巣に針を刺しているので、採卵当日から性交渉は控え、採卵後の診察で異常が無いことを確かめてからにしましょう。


同じ質問は胚移植周期にも良くあります。

自然周期融解胚移植を行う場合、卵巣は排卵をします。

これまでタイミング法などで妊娠しなかったから、とか、少しでも確率を高めるため、と、排卵期に性交渉をすることも考えるでしょう。

この場合、排卵する卵と、胚移植する受精卵のいずれも着床、妊娠する可能性があり、二卵性の双胎となることがあります。双胎妊娠はリスクが高くなってしまうため、自然排卵を起こす胚移植周期では、排卵期の性交渉は控えた方が良いです。

これに対して、ホルモン補充周期で行う場合、まれに排卵することがありますが、基本的に排卵はありませんので性交渉は制限がありません。

また、胚移植後の性交渉ですが、着床期の性交渉が妊娠率を低下させる、と言う報告があります。これは一般の女性の月経と性交渉の記録から出されたもので、着床期が正しく評価されていません。現段階では、分かっていない、という結論です。

分かっていない以上は、妊娠判定まで避けた方が無難かも知れません。