百日咳ワクチンの接種を再開しています。現在のところ在庫は十分確保できますので、ご予約の上ご来院下さい。
このページでは、百日咳と百日咳ワクチンについてお知らせしています。

この記事の目次
百日咳とは?
百日咳は、咳やくしゃみなどの飛沫によって広がる感染症です。
とくに以下の方々が重症化するリスクが高いとされています。
生後6か月未満の乳児(特に生後2か月未満)
高齢者
喘息や慢性肺疾患(COPD)などの持病をお持ちの方
生後2か月から、百日咳が含まれているワクチンが接種されていますが、その前に感染するケースが増えており、重症化するリスクが問題となっています。
赤ちゃんを守るため、周囲の大人が感染を防ぐことが大切で、妊婦さんの役割も重要です。
百日咳の現状は?
日本国内での百日咳の感染拡大が続いています。
国立健康危機管理研究機構(JIHS)の集計によると、2025年の累積患者数は第44週(11月初旬)時点で84,911例に達し、年間を通じると10万例規模の大流行となりました。これは2018年の全数把握開始以降の最多記録であり、過去最多だった2019年(16,845例)の5倍以上です。
2026年に入っても流行は収束しておらず、引き続き注意が必要な状況です。
過去最悪の記録的な大流行となった2025年に比べると落ち着きを見せているものの、例年に比べると依然として高い水準で推移しており、注意が必要です。
2026年の最新感染状況(全国)
2026年4月中旬(第16週)時点のデータでは、以下のような推移となっています。
2026年の全国累計患者数: 2,436例
直近の動向: 現在は1週間あたり全国で70〜90例前後の報告で推移しています。年間で8万例を超えた2025年の爆発的なピーク時に比べると大幅に減少していますが、流行が完全に収束したわけではなく、毎週一定数の届出が続いています。
全国の中でも、特に首都圏・関東地方(東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県など)を中心に多くの報告が集まっています。直近の週でも、埼玉や東京、神奈川などで継続して患者が確認されています。
百日咳は感染力がとても強い細菌ですが、過去にコロナ感染があるとかかりやすくなるため、感染者が増えている、という説もあります。
百日咳の感染者は10代が6割を占め、また乳児の重症例が問題となり、亡くなってしまった赤ちゃんも。抗生物質であるマクロライドに耐性を持つ百日咳菌も増加しており(つまり薬が効かない百日咳菌が増えている)、より一層の予防対策が求められています。
この状況を受け、当院では成人(妊婦さんを含む)を対象に、百日咳ワクチン(DPTワクチン「トリビック®」)の接種を行ってきましたが、ワクチンの出荷制限が解除されたため再開しました。
妊婦さんへのワクチン接種について
海外(豪州・欧米)では、妊娠後期に百日咳ワクチン(Tdap)を接種し、母体から胎児へ抗体を移行させることで、生後の赤ちゃんを感染から守る方法(母子免疫ワクチン)が推奨されています。
現在、日本ではTdapワクチンは未承認ですが、その代わりとなるワクチンとして、
DPTワクチン(トリビック®)は、添付文書上、妊婦さんへの皮下接種が可能とされており、厚生労働省研究班によって、妊婦さんへのDPT接種の安全性と、赤ちゃんへの抗体移行効果が確認されています。
DPTワクチン接種の推奨時期
妊娠28週~36週の間に接種することで、胎盤を通じて赤ちゃんに十分な抗体が移行し、出産後早期の赤ちゃんの百日咳感染を防ぐことが期待されます。
医療従事者への接種について
乳児の百日咳感染源は、家族や医療従事者が多いことが報告されています。
そのため、日本環境感染学会では、
産科病棟スタッフ
新生児・乳児をケアする医療スタッフ
妊婦さんや新生児に接触する医療従事者
に対して、百日咳ワクチン(DPT)の接種を推奨しています。
当院では、患者さんのみならず、スタッフ自身も感染予防を徹底し、安心できる医療環境づくりに努めています。
また破傷風予防効果が大変高いことが知られています。昨今の震災の際には破傷風感染が心配されます。このワクチンの破傷風予防効果は10年持続するといわれています。
産婦人科クリニックさくらでの接種は
使用するワクチン
DPTワクチン「トリビック®」
(D=ジフテリア、P=百日咳、T=破傷風)
不活化・無毒化された、安全性の高いワクチンです。
0.5mLを皮下注射で1回接種します。
接種対象者
当院では、
妊婦さん(特に妊娠28~36週)
成人(18歳以上の方)
乳児と接するご家族・医療従事者
を対象としています。
※お子さま(小児)への接種は小児科でお願いいたします。
接種費用
8,910円(税込)
予約方法
ご予約は、Web予約、またはお電話でお願いします。
生まれてくる赤ちゃん、そしてご家族を守るために、ぜひDPTワクチン接種をご検討ください。
【参考】
日本産科婦人科学会「乳児の百日咳予防を目的とした百日咳ワクチンの母子免疫と医療従事者への接種について(2025年)」など
初出:令和7年5月1日
補筆修正:令和7年5月8日、14日、15日、29日、7月9日、19日、8月10日、10月17日
補筆修正:令和8年5月21日、22日、9月7日、破傷風予防効果について追記しました。
