最新のお知らせ

麻しんの感染に注意して下さい。妊婦さん、妊活中の方は最後の抗体価を確認して下さい。

またしても麻疹(はしか)の発生報告です。

都内の30代 男性が麻疹に感染していたことが発表され、 感染の拡大が心配されています。


東京都の発表では、患者さんは1月12日に 発熱したようですが、13〜15日にかけて 羽田空港や高知空港、高松空港、西武新宿線所沢駅と羽田空港を結ぶ空港連絡バスを利用し、不特定多数の人と接触した可能性があります。

麻しんは国内ではすでに排除された感染症です。しかし途上国を中心に多くの国では流行が見られるため、海外渡航には注意が必要です。大袈裟かも知れませんが、渡航前に抗体検査やワクチン接種が望まれます。

「海外渡航歴のない患者さん」とは、国内の誰かからうつされてしまった、ということですから、その前に明らかとなっていない患者さんがいた、ということになり、潜在的にもっと多くの感染者がいる可能性があります。


麻疹は空気感染するため、ワクチンによる予防以外に有効な手段がなく、妊娠中の感染は、流産や死産、妊婦さんの肺炎を引き起こすため、感染予防はとても重要です。

空気感染とは、コロナなどの飛沫感染とは比べ物にならない、とても感染力の強い感染様式です。昨年の感染では、都内の感染者2名は、茨城の感染者と同じ新幹線に乗り合わせただけでした。

また麻しんは、死亡率(0.1%)が高く、感染後2〜10年後に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)が発症する可能性もあり、注意が必要です。

麻疹の予防は、残念ながらコロナの様なマスクや手洗い、消毒では防ぎきれず、ワクチンによる抗体の獲得が必要です。麻疹は定期接種化されていない1972年以前の世代と、1回しか接種していない1999年度以前に生まれた世代は特に抗体があるか確認が必要です。

妊婦さんや妊活中の方は、抗体検査をしたことがあるか、最後に行ったのはいつか、その際の抗体価はどれくらいだったかを確認しましょう。

麻疹について詳しい情報はこちらの記事をご覧ください。当院のデータも公開しています。

抗体検査は自費の血液検査(4,840円、税込)で、結果が出るまで6日ほどかかります。

現在、麻しんワクチン、MRワクチンの出荷調整がなされており、ワクチン接種にはお電話による予約が必要です

令和7年1月23日、アップデート