「子宮内膜が厚くならない」ことを子宮内膜菲薄化とよびますが、諸説あるものの、排卵から月経までの黄体期(高温期)の中ごろ、つまり排卵から1週間後、月経の1週間前のころに子宮内膜は10㎜以上の厚さが望ましく、これ以下だと着床率が低下するとされてきました。
子宮内膜の厚さが10㎜以下で、他に不妊因子がない方にプラセンタサプリを摂取してもらったところ、摂取後の内膜厚を追跡できた8名中、効果ありが4名、効果は一過性が1名、効果無しが3名でした。
効果ありの4名のうち2名の方は無事に妊娠、出産されました。効果が一過性、と効果無し、の方たちに妊娠はありませんでした。
少ない例数ですが、プラセンタサプリが内膜の厚さを改善できれば、妊娠率の向上も可能かも知れません。
高度生殖医療をお受けになっている方たちの治療効果は、8名の方の追跡が可能で、良好な受精卵が得られた効果があり、が7名、効果が一過性が1名で、効果がなかった方はありませんでした。
効果あり、は1ヶ月半から半年の間にみられ、平均3.6ヶ月、要しました。
そのうち3名の方が妊娠されましたが、出産したのは1名でした。
対象が卵子が悪くなってしまっている方なので、卵子が良くなってもなかなか妊娠に結びつかなかったのかも知れませんが、1名の方は無事に出産されました。
体外受精など高度生殖医療の治療効果ですが、一般生殖医療で原因不明不妊の方の中には卵子が良くない方もいらっしゃいますので、一般生殖医療の方にも治療効果があるかも知れません。
また更年期障害ですが、他施設でもっと多くの治療成績が報告されていますが、当院で効果が追跡できた2名の方はいずれも治療効果が見られました。
摂取後2週間から1ヶ月で効果を実感されたようです。
さらにお肌のトラブルの方も1ヶ月でトラブル改善を実感され、他、本来の目的以外に以下のような声が聞かれました。
・4日くらいで肌がきれいに、また、体温が高くなった。
・3週間で出血の時の痛みがなくなり、体調が良かった。
・1ヶ月摂取して、肌が乾燥しない。
・1ヶ月で目の下の小じわが消え、肌の水のはじきが良くなった。
このあたりはあくまでも個人の感想ですが、他にもお肌の改善をお話しされた方が多かったです。
当院スタッフや知人が摂取したところ、疲れがとれた、とか、やる気が出ない、うつっぽい時に効果を感じた、と言う感想を寄せてくれました。
様々な効果が期待されるプラセンタサプリですが、当院では不妊症や更年期障害、お肌の改善を目的に今後も治療を続けていきたいと思います。
文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)
初出:平成29年4月27日
補筆修正:平成29年12月24日
補筆修正:平成31年3月9日、令和2年8月17日
補筆修正:令和3年9月26日
補筆修正:令和5年8月1日、12月12日