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帯状疱疹ワクチン「シングリックス」

水ぼうそう=水痘、の感染後、原因となったVZVウイルスが、体内の神経節に潜み、やがて免疫力の低下、抗体価の低下とともに帯状疱疹を発症する可能性があり、50歳以降で見られることが多いです。

最近では20〜40代でも多くみられているとのことです。

帯状疱疹は、典型的には肋間神経節沿いに、つまり胸から脇腹に強い痛みを伴う発疹が出るもので、80歳までに3人に1人が発症するとされています。また20%以上の方に、帯状疱疹後神経痛(PHN)を残します。さらに顔面に発症すると眼の合併症を来して、ひどい場合には失明したり、他にも髄膜炎、脳梗塞、難聴など、様々です。

帯状疱疹のワクチンには、

・水痘帯状疱疹ワクチン(生ワクチン、当院では妊娠前に推奨しています)

・帯状疱疹ワクチン(シングリックス®︎、不活化ワクチン、50歳以上に用います)

があります。


シングリックスの特徴は、

・50歳以上に接種

・2回の接種が必要(2回目は2ヶ月後の同日、遅くとも6ヶ月以内に)

です。6月より対象が拡大して18歳以上の免疫抑制患者さんにも使える様になりました(この場合は1〜2か月後に2回目接種)。

メリットは、

・帯状疱疹の予防効果が高く、わずかに発症してしまった場合でも、上記のPHNが皆無とされています。

・生ワクチンよりも効果が高く、効果が持続し、接種後10年後でも十分な抗体が残っています。

デメリットは、コストと副反応です。

当院では1回の接種が23,100円(税込)です。自治体によっては助成される場合がありますが、横浜市では今のところ予定がありません。

また副反応ですが、新たに頻度が発表されました。最も多いのは接種部位の痛み(79.1%)や発赤(37.4%)で、腫れ(24.2%)、と比較的強い倦怠感(疲労感34.6%)や筋肉痛(36.9%)が見られます。他、胃腸症状が12.0%、頭痛28.3%などでした。当院のスタッフでは副反応は半数くらいに見られました。院長の私は、初回は皆無、でしたが2回目は2日後までだるさ、発熱、筋肉痛が波状に現れ、散髪しながら熟睡していました。。

よって、当日翌日、できれば2日後まで予定がない日程を選択すると良いと思います。

コロナワクチンとの接種間隔は2週間以上空けてください


シングリックスの予約は、Web予約が便利です。

「予防接種(各種ワクチン)」から、「帯状疱疹ワクチン(シングリックス」を選択し、日付の選択後に設問にお答えください。

製薬会社が公表している患者さん向けのガイドはこちらをご覧ください。

https://jp.gsk.com/media/6195/shingrix-guide_202102.pdf

初出:令和5年3月23日
補筆修正:令和5年5月1日、7月10日、8月31日、2回目接種の日程について追記しました。