卵巣がんや、卵巣がんが疑われたり、悪性度は低い「中間悪性群」であったりして、若くして片方の卵巣摘出(卵巣切除)をしなければならないことがあります。卵巣ひとつしかない

病気が進行して両方の卵巣を摘出された場合は、卵子提供を受ける以外に妊娠ができなくなりますが、片方の場合はどうでしょうか。

片方の卵巣になってしまうと、生理が2ヶ月に1回? また閉経が2倍早くやってくる? そして妊娠はしにくくなる? 妊娠しにくい


手術後の月経を実際に迎えている方はお分かりかと思いますが、月経の回数が半分になることはありません。下のブログ記事にも理由は書きましたが、毎月排卵する卵胞は、左右からランダムに1個発育します。

「毎月右左、交代で排卵しますよね?」 ~排卵に関するいくつかの誤解~

つまり片方の卵巣となってしまった場合には、残された卵巣が毎月働いて排卵します。それでは残り一つの卵巣が2倍働かされるわけですから、やはり閉経は早まる?

これはこの下のブログ記事で書いたように、排卵はもともと排卵する候補の中から選ばれた一つが排卵します。候補となりながらも排卵に選ばれなかった卵胞は全て使われないままとなります(閉鎖卵胞、と言います)。

排卵誘発剤を使うと閉経が早くなりますか?


さて、それでは実際に卵巣が片方になってしまうと妊娠率が半分になるでしょうか。

上に書いてきたように、女性の卵胞は余裕をもって消費されていきます。

もともと1個しか消費されないのではなく、もともと数十個ずつ消費されていきます。これらは左右に偏りがあるのではなく、ランダムに左右から選択されます。

もちろん、子宮内膜症(卵巣チョコレート嚢胞)のように、手術で卵巣自体にダメージが大きい病気では、例えば片方を摘出して、残された卵巣もチョコレート嚢胞を摘出(核出)すると、残された卵巣での妊娠が難しくなる可能性が高いです。

しかし、例え卵巣がんのような病気でも残された卵巣が健康な状態であれば、毎月排卵し、妊娠の可能性があるということです。

初出:令和2年3月17日
補筆修正:令和2年3月19日、5月24日、25日、7月29日