月経痛をはじめ、月経に伴うトラブルの改善や避妊を目的として、多くの女性に利用されている低用量ピル。今回は、海外で広く使用されているマルシロン(Mercilon)について、その特徴や期待できる効果、副作用、注意点をわかりやすく解説します。
この記事の目次
マルシロンとは?
マルシロンは、世界中で使用されている第3世代の1相性ピルです。(「第3世代」「1相性」についてはこちらを参考にして下さい)
日本で処方されている「マーベロン」や「ファボワール」と同じ有効成分である、
デソゲストレル
エチニルエストラジオール
を含んでいます。
ただし、マルシロンはマーベロンよりもエストロゲン(卵胞ホルモン)の量が少なく、
マーベロン:30μg
マルシロン:20μg
となっています。
そのため、「超低用量ピル」に分類されることもあります。
また、1相性ピルであるため、すべての実薬に同じ量のホルモンが含まれており、飲む順番を気にする必要がありません。ホルモンバランスが安定しやすいことも特徴です。
日本では月経困難症を適応とし、製造承認されたため、近いうちに処方が可能となります。

マルシロンに期待できる効果
生理痛やPMSの軽減
他のピルと同様に、
生理痛
月経量の多さ
月経前症候群(PMS)
の改善が期待できます。
生理による日常生活への支障を軽減したい方にも有用です。
生理回数を減らす
近年では、複数シートを連続して服用することで、生理(消退出血)の回数を減らす方法も広く行われています。
例えば、
21日服用+7日休薬
という従来の方法だけでなく、
数シート連続服用
といった方法が選択されることもあります。
マルシロンの内服方法は、
・24~80日間連続経口投与し、その後4日間休薬する。以後連続投与と休薬を繰り返す。
です。服用方法については医師と相談しながら決定しましょう。
副効用としてニキビや肌荒れの改善
マルシロンに含まれるデソゲストレルは、男性ホルモンの作用を抑える働きがあります。
そのため、
ニキビ
肌荒れ
皮脂分泌の増加
多毛症
などの改善が期待できます。
「生理痛だけでなく肌の状態も整えたい」という方に選ばれることがあります。
低用量ピルの副作用
マルシロンに限らず、低用量ピル共通の副作用としてお伝えします。
飲み始めに起こりやすい症状
服用開始から2~3か月程度は、
不正出血、茶色いおりもの
乳房の張り
軽い吐き気
頭痛
むくみ
などがみられることがあります。
特に超低用量タイプでは、不正出血がやや起こりやすい傾向がありますが、多くの場合は数周期で自然に改善します。
改善しない場合には、他のピルなどへの変更も検討します。

最も注意すべき副作用「血栓症」
すべてのエストロゲン配合ピルに共通する重大な副作用として、血栓症があります。
血栓症とは、血管の中に血液の塊(血栓)ができ、血流を妨げる病気です。
発症頻度は非常に低いものの、重症化すると命に関わることがあります。
また、第3世代ピルは第2世代ピルと比較して、血栓症リスクがわずかに高いと報告されています。
ACHES(エイクス)を覚えておきましょう
次の症状が現れた場合は、服用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。
A:Abdominal pain(激しい腹痛)
突然の強い腹痛
C:Chest pain(胸痛・息切れ)
胸の痛み、圧迫感、息苦しさ
H:Headache(激しい頭痛)
これまで経験したことのない強い頭痛、めまい、失神
E:Eye problems(視覚異常)
視野の欠け、見えにくさ、視力低下
S:Severe leg pain(足の痛み)
ふくらはぎの痛み、腫れ、赤み、熱感
これらは血栓症のサインである可能性があります。
発売の際には再度こちらでお伝えします。また新しい情報が入り次第、追加していきます。
文責 櫻井明弘 院長、日本専門医機構認定産婦人科専門医
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