体外受精などの生殖補助医療(高度生殖医療)へのステップアップを検討している方が直面する問題で、仕事との両立、また通院しきれるのか、というものです。

タイミング指導などの一般生殖医療では、不妊スクリーニング検査が終わると主に、排卵日の予測になるため、おおよその排卵日までに受診すればよく、月に1回くらいの通院でも治療が可能です。しかし、生殖補助医療ではどうでしょうか。

採卵までの期間は?

産婦人科クリニックさくらで一番にお勧めしている卵巣刺激法がロング法。

ロング法は基本的に連日、注射の排卵誘発剤を用いなければなりません。これには連日通院する方法と、ご自身で注射する自己投与の方法があります。

連日の注射ですが、通院の場合、なかなか同じ時間に受診、というわけには行かないかもしれません。当院では、今日は夕方、明日は朝、というように日によって通院・注射する時間が前後したり、場合によっては1日スキップしてもよい、としています。

また、月・水・金は18時半まで受け付けており、火・木は17時半まで受け付けています。

採卵まで、だいたい3〜4日ごとに超音波検査を行い、卵胞発育が起こっているか、卵胞が成熟し採卵が近くなっているか診察が必要です。卵胞が成熟していると判断されるとホルモン検査を行って、採卵の日程を決定します。このホルモン検査は結果が出るまで、30分ほど時間を要します。

他の注射剤を使うアンタゴニスト法も同様です。

毎日の通院や自己注射が難しい場合には、当院ではフェマーラ®︎(レトロゾール)を内服する卵巣刺激法を勧めていますが、この方法では注射通院がないため、タイミング法のように排卵を予測した頃から3〜4日ごとに診察を行います。

採卵の日時は?

採卵は、ホルモン検査の結果、卵胞が成熟したと判断されると2日後以降に行います。

採卵の2日前に、ロング法では17時頃にhCGの注射を行わなければなりません。これはオビドレル、と言う自己注射できる製剤もあります。

アンタゴニスト法やフェマーラ(レトロゾール)の内服法では、採卵2日前の20時と採卵前日の8時にスプレキュア®︎(ブセレリン)という点鼻薬を使います。点鼻薬は自宅でできる治療なので、その時間の来院は必要ありません。

当院では採卵は朝9時前後に行っており、この採卵の時間は変更ができません。

つまり、卵巣刺激中は、なるべく勤務やお仕事に支障を来さないよう工夫が出来るかもしれませんが、採卵日は少なくとも午前休や遅刻出勤が必要になるかも知れません。

採卵後は、数日の間、お腹が張ったり、時には痛みを感じたりすることがあります。鎮痛剤を使うことが出来ますが、多くの場合は日常生活や勤務を続けることができます。

採卵時に感染や出血が起こると、鎮痛剤が効かなかったり、感染では発熱することもあります。

また稀な合併症として卵巣過剰刺激症候群がありますが、お腹の張り、痛みに加え、尿量が減ったりします。リスクがある場合には採卵前後から、医師からの治療、指導があります。

融解胚移植の周期は?

当院で行っている融解胚移植は、主に

・自然周期

・ホルモン補充周期

があり、それぞれのメリット、デメリットを考えて選択してもらっています。

自然周期は、ご自身の排卵日を基準として、排卵から2〜5日(凍結保存までの培養日数に合わせます)後に胚移植します。

採卵と同様に、胚移植の日程が読みにくい欠点があります。

一方で、ホルモン補充周期では、子宮内膜が作られたら、ご都合に合わせて胚移植の日程を定めることが出来ます。

いずれにしても胚移植周期の方が通院日数は少なくなります。

文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)

初出:令和4年3月2日
補筆修正:令和4年4月15日