新年あけましておめでとうございます。

皆さま、どんな新春をお過ごしでしょうか。


さて、昨年も一昨年と同様、コロナに明け暮れた一年となってしまい、実に二年もの間、私たちは目に見えない感染症と闘い続けています。

年末からは国内でもオミクロン株の市中感染が報告され、再び我々の生活を脅かそうとしています。今後欧米のように爆発的な感染拡大となるのか、注視していかなければなりません。


生殖医療とウィメンズヘルスケアを二本柱に掲げる産婦人科クリニックさくらでは、今年大きな変化が二つ訪れようとしています。

まず、HPVワクチンの積極的勧奨が再開されることと、体外受精などの高度生殖医療の保険適用です。

HPVワクチンは、2013年に積極的勧奨が取り止めになり、その後、ワウチンの安全性とワクチンを打たないデメリットが議論され、ようやくこの度、4月からの勧奨再開となります。実に9年ぶりとなり、この間に接種されたなかった方たちの子宮頸がん発症や死亡が懸念されています

また、勧奨再開だけでなく、この接種されなかった世代へのキャッチアップ接種も決まり、同様に4月から開始される予定です

4月に小6となる女子から、令和4年度に25歳になる方たちは、どうぞHPVワクチンについてもう一度考える機会として下さい。

当院からも積極的に情報を発信してまいります。またご心配な方、ご質問はいつでも承りますので、どうぞお気軽にお声がけください。


さて、これまで長い間、妊娠・出産や不妊症は、保険診療の対象外とされてきました。

妊娠・出産は病気ではないため、また不妊症はカップルが妊娠を希望しなければ不妊ではなく、そもそも生命に危険を及ぼすものではない、というのがその根底にあります。

これまで多くのカップルが、子供が欲しい、無事に出産したい、という気持ちを叶えるため、多額のお金を費やさざるを得ない、そんな状況が大変長い間、続いてきました。

今この世にある生命は、赤ちゃんからお年寄りに至るまで、病気に対して保険診療が行われますが、これから生まれる生命に対しては、自費診療となる、一見当たり前の様ですがそうでしょうか。これから生まれる子供たちはやがて成人し、この国を支える、根幹となる人たちです。そんな子供たちを授かりたい、無事に産みたい、こういうカップルには、一部助成金などはあるとは言え、あまりにも蔑ろにし、軽視してきたのではないでしょうか。

高度生殖医療に対しては、条件付きとは言え、平成16年より助成金制度が創設されました。

その後、支給条件の緩和、支給額の増額や減額、年齢要件が定められたり、と様々な変更があった末に、最も大きかったのが令和3年よりの所得制限の撤廃、助成額の増額でした。

これは当時の菅義偉首相が、不妊治療の助成拡大と保険診療適用を総裁選での公約に掲げ、そして実現されたものでした。

その保険診療がいよいよ今年4月から適用となり、代わって助成金制度が廃止されます。

保険適用については患者さんの多くから期待の声が寄せられていますが、現状では高度生殖医療の全てが保険適応となるわけではなく、排卵誘発剤や超音波、ホルモン検査など、そして本体部分に当たる、採卵、体外受精や顕微授精、胚移植が適応となりそうです。
最終的には3月になるまで明確にならない部分もあります。

また廃止される助成金制度がいつまで使えるのか、もまだ明確ではありません。

このように分からない点がまだ多い高度生殖医療の保険適用化ですが、これまで治療に踏み切れなかった方たちが、一人でも多く治療によって妊娠・出産となることが何より大切だと思っています。

我々もこれまでと同様、少しでも妊娠・出産率の向上を目指し、皆さんに医療提供できるよう、準備も進めています。


その他、今年も変わらずより良い医療を提供できるよう、診療体制や内容を常に考えており、まだ発表ができないプロジェクトもいくつか進行しています。

今年も1年、皆さまのヘルスケアのために、精進して参る所存です。

皆さまにおかれましても、これまでと同様のコロナ対策をとり、また3回目のコロナワクチン接種を受けていただき、今年こそコロナの終息を達成すべくご協力いただく思います。

そして何より、皆さまにとって素敵な一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

院長 桜井 明弘

初出:令和4年1月4日
補筆修正:令和4年1月5日(HPVワクチンキャッチアップ対象の生年を削除しました)
補筆修正:令和4年1月6日(HPVワクチンキャッチアップ対象の表現を改めました)