横浜市では6月下旬以降、麻疹患者さんの報告がなかったそうですが、9月に入って、6名の報告があります

海外渡航歴のある患者さんが1名、麻疹患者さんと接触した方が4名、そしてお一人は感染経路が不明だったそうです。

国立感染症研究所(10月3日現在)によると、川崎市でも1名、そして品川区では8名の麻疹報告がありました。

麻疹は途上国を中心に流行が常態化しており、日本からの旅行者や、日本への旅行者が麻疹を持ち込むことが知られています。


麻疹は妊婦さんが感染すると、流産、早産、死産の原因となり、また妊婦さん自身の肺炎合併、そして妊婦死亡率が増加します。


麻疹は空気感染するため、飛沫感染するインフルエンザなどよりもずっと強力な感染力があります。

麻疹患者さんに接触後、72時間以内に麻疹を含んだワクチンを接種すると発症が防げる可能性があります。
(妊婦さんはワクチン接種を受けることが出来ません)

麻疹は妊娠中に感染すると、

・妊婦さんの肺炎合併が非妊婦に比べて3倍の25%にのぼり、妊婦死亡率が3.5-4.8%になります。
(日本の妊産婦死亡率は、10万人中3.4人で、0.0034%、世界で最も低いレベルです、2013年)

・流産率31%、早産率24%、死産率9%

と言うデータがあります。


当院で調査したデータでは、妊娠希望の女性のうち、19%に当たる方は麻疹に対する抵抗力がありませんでした

麻疹抗体価

大流行となる素地がある、と言うことです。

日本では2015年3月に、WHOから「麻疹が排除された状態」と認定を受け、国内で発生する麻疹がなくなっています。

しかし、東南アジア諸国などの麻疹流行地域をはじめ、抗体を持っていない状態で渡航して感染するケースが報告され、国内で同じ様に抗体のない方に感染をさせてしまい、大流行となる恐れがあります。

海外渡航前にも必要な抗体検査とワクチン接種を行うことをお勧めしますが、ではいったい、ワクチンを接種したら、どれくらいから効果が現れるのでしょうか。

このご質問、大変多く頂くのですが、明確な答えがありません。

唯一、麻しんワクチン(ビケンCAM、田辺三菱製薬)のインタビューフォームに、「接種して4週以降に採血を行い抗体測定を行なった結果、抗体陽転率は 98.6%」であるだけで、いつから陽性化するかは見つかりませんでした。

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