若い世代ほど、コロナワクチンを打たない、打ちたくない人の割合が多い、と報道されていますが、4月11日に政府が発表したデータでは、3回目のコロナワクチン接種は、

・20歳代 24.0%

・30歳代 25.9%

・40歳代 33.8%

・50歳代 51.8%

それ以上の世代では66.7〜88.4%が終えており、やはり20代〜40代が接種率低下の原因となり、また、現在流行の中心である10代〜40代と一致しています。

妊娠して受診された患者さんや、妊娠を希望している方の中にもまだ打っていない方が少なくありません。妊活中や妊娠された方、そのご家族にはいち早い接種をお勧めしています。日本国内でも、妊婦さんは同世代の女性に比べて重症化することが報告されています(Shoji K et al. 2022)。

当院でも当院に受診歴のある横浜市民の方を対象に、コロナワクチン接種を行なっています

第7波が心配されています。

感染を広げているのは、やはりワクチン未接種の若い世代やお子さん達だそうです。新たな感染源とならないようワクチン接種を改めてお願いします。若い世代は、学校や会社で、同じ世代で過ごす時間が長くなりますから、まだまだ感染のリスクがあるとも言えます。

ところで若い人たちはどうしてワクチンを打たないのか、そして、どのようにアプローチしたらワクチンを打つのか、考えてみましょう。

「副反応が心配」「副反応がもう嫌」

まずいくつかある理由のうち、最も多いとされるのが副反応への忌避感です。

副反応は、明らかに以下のような「傾向」があります。

・若い人ほど強く出る。

・女性の方が強く出る。

・2回目の方が強く出る。

・翌日が最も多く出て、ついで当日。2日目以降は多くない。

・モデルナワクチンの方が、ファイザーワクチンより副反応が強く、遅くから始まったり、遅くまで出る可能性がある。

などです。

すでに2回の接種を終えた人たちには、「もうあの様な副反応は勘弁して」とか「副反応があると仕事にも支障が出る」など、なるほどと思う理由があります。

しかし、あくまでも「傾向」であって、必ずそう出るとは限りません。

コロナワクチンの副反応は、大変個人差が大きいです。

よく我々の世代でも副反応が強いと「まだまだ若いね」とか、副反応が弱いと「思ったより枯れてる。。」などと副反応の違いを笑いを交えた話題にしていました☺️

また副反応が強いと抗体産生がしっかりできて、副反応が弱いと効いていない、かのような意見を言う人がありますが、全くそういう根拠はありません。

個人的な感想でもありますが、熱っぽい、だるい、に対して解熱鎮痛剤がとてもよく効きました。普段から飲み慣れている、つまりアレルギーのない解熱鎮痛剤を準備し、早めに服用することをお勧めしますが、症状がないのに予防的に服用することは推奨されていません。解熱鎮痛剤を使って熱を下げると抗体がつかない、のような話をする方がいますが、これも根拠がありません。

副反応は一過性であり、長期に渡って続くことはほとんどなく、副反応が消失した後は通常の体調が戻ります。

もう不妊の原因になる、と言うデマを信じる人もほとんどいないと思いますが、心配な方はこちらもご覧下さい

「コロナにかかっても重症化しない」

これも確かに言い当てていると言えますが、やはり絶対ではありません。

重症化の「傾向」は、

・高齢者

・喫煙者

・男性

・肥満

・基礎疾患(持病)がある

・妊婦さん

などが挙げられますが、当てはまらなければ軽症、という意味ではなく、実際に若い患者さんがコロナから回復した後も長期に渡って味覚障害や脱毛に悩まされている事例が多数報告されています。動画サイトやSNSでもよく見られますね。

つまり、コロナに罹った後も長い間、後遺症に悩まされ続ける、それは結局罹ってしまった当事者にしか理解できないことなのかもしれず、感染したことがない人には伝わらないのかもしれません。

また、感染することで、周囲にも拡げてしまう危険性があります。

「時間がない、面倒。メリットを感じない。自分が打たなくても変わらない。そもそも興味がない」

わかります。わざわざ予約しなければならないし、なかなか予約が取れない。当然その時間には他の予定が入れられない。

いや、どうせ罹っても重症化しないんでしょ? 

上に挙げた後遺症の怖さを実感できていなければ、副反応もあるし、デメリットだけに感じる、そう思われるでしょう。

でもあなたが罹ったら、大切な家族や友人、さらには見ず知らずの電車で乗り合わせた、とかお店で同じ時間に滞在していた人たちにウイルスを巻き散らかすことにもなります。無症状でもきちんと不織布マスクをつけるべきなのと同じ理由です。

またワクチン接種には、集団免疫という効果があります。つまり自分が罹らないだけでなく、自分が罹らなければ、自分発の感染を拡げないわけですから、一人でも多く接種すればそもそも流行らなくなる。これが集団免疫です。

コロナウイルスの場合、70%の人がワクチン接種すると集団免疫が成立するとWHOは発信しましたが、現在までの所、この割合はまだ分かっておらず、また変異株であるデルタ株に対する集団免疫はもっと高い接種率が必要ともされています。

なにも自分が接種しなくても接種した人たちのお陰で罹らずに済む、と言う考えがありますが、これはワクチンただ乗り、と揶揄されています。

我々大人は、色々と理由を考えようとしていますが、そもそも理由づけすること自体が大人の論理で、若い世代ではそもそも興味がない、とも言えます。

私はこれを、若者の政治離れや、あるいは献血率の低下などとも原因を同じくしているのではないかと感じます。

あなたの一票が変える、と言われても、たかが一票で数十万票の得票に対してあまりにも小さ過ぎるし。。
わざわざ投票に行っても変わらないでしょ?

献血もそれは誰かの役には立つんだろうけど、自分には直接関係ないし、献血は痛いし、やっぱり時間を割いて献血会場に出向くのは正直面倒、自分にメリットがない。。

日本の政治離れ、投票率の低さは、要するに日本の政治が安定しているからなのです。政治が暴走し、民主主義が侵されるような怖い状況にないから、行動に繋がらない。献血も、コロナも、本当の怖い思いをしないから行動に繋がらないのではないでしょうか。

若い人たちの接種への方策は

さて、米国では米国らしく、接種したら抽選で何億、とか、ぶっ飛ぶような施策を打ち出したりしてますね。

日本ではさすがにそれは嫌らしさが漂うのであり得ないと思うのですが、フランスではワクチンを接種した証明(ワクチンパスポート)の提示が、レストランや劇場で義務付けらたため、一気に若い世代のワクチン接種が加速しました。

逆に日本の若い皆さんは、接種したら○○、ご褒美でも何でも良いのですが、希望するものはないのでしょうか。

一部のヒアリングでは、GO TOのようなご褒美があり、ワクチン接種したら旅行しても良い、とか、何と言っても旅行代を少し助成してもらえる、と言うようなメリットがあったら、と言う意見がありました。

若者に限らず、接種をためらう方たちの背中を押すような方策をこれからも模索し、考えていきたいと思います。

日本と国際社会がコロナ前の輝きを取り戻すために

では、ワクチン接種が広まり、コロナを収束できたら。。

オリンピック・パラリンピックで、連日日本選手が大活躍しました。開催の是非もありましたが、本来ならば、昨夏、会場で、パブリックビューイングで、テレビで、あるいは酒場(?)でリアルに感じながら、日本選手や各国の選手の活躍に熱狂した日々を過ごしていたはずです。実際にチケットが当たった方たちは、本当に悔しい思いをしたでしょうね。

コロナが終息したら、オリ・パラは終わってしまったけど、球場やスタジアムに足を運び、大歓声を上げたり、会場内をウェーブで包み込んだり、コロナ前の楽しみが戻ってくるのです。

今はほとんど自粛せざるを得ない国内旅行や海外旅行も、一日も早く、また行きたいですよね。

離れて暮らす両親や祖父母など、コロナのリスクが高い親しい人たちにも再会し、一緒に過ごすことが出来るようになります。コロナで定着したオンライン会議はとても便利ですが、やはり実際に同じ空間・空気を共有し、語り合えるのは何よりも喜びに感じるのではないでしょうか。

ワクチンの副反応や副作用は確かにあります。しかしワクチンの副反応・副作用よりも、コロナに罹る方がずっと怖いし、いい加減にコロナ禍を終わらせなければならないのです。

そのためには若い皆さんのワクチン接種が何より欠かせません。

どうか皆さんの力を貸して下さい。日本と国際社会が輝ける日を一緒に取り戻しましょう。


1月に院内スタッフや近隣の薬剤師さんを含めて3回目のブースター接種を行いました。

院長の私の副反応は、

1回目、ほとんど何もなし

2回目、翌日(24時間過ぎてから)発熱感(実際には36度台)と倦怠感

3回目(令和4年1月15日)は、5時間後くらいから倦怠感、で、早々に寝てしまいましたが、数時間後に元通りになりました。

文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)

初出:令和3年7月13日
補筆修正:令和3年7月29日、9月15日、11月19日
補筆修正:令和4年1月16日、20日、3月30日、4月6日、14日