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婦人科の病気や治療中でも生理中でもコロナワクチンを接種できます。〜子宮腺筋症、子宮内膜症、ピル、ジエノゲスト、レルミナ、子宮筋腫など〜

一昨年5月に、新型コロナウイルスワクチンを接種して5日後に亡くなった40代の子宮腺筋症の女性のニュースがありました。

厚生労働省の調査では、半年前まで治療を受けていた方で、子宮腺筋症が原因で肺塞栓を起こし、亡くなってしまった、とのことで、ワクチンとの関連は否定的に考えられています。

新しい薬やワクチン接種では、例え交通事故で亡くなったとしても、死亡として報告されます。ワクチンの作用で出血が多くなる、という機序は、例え子宮腺筋症があっても副反応として考えにくいです。

妊娠中は積極的に接種する必要性があることや、妊活中ももちろん問題ないことはかなり広まってきたようですが、

ピルを飲んでるんですが」
「(子宮内膜症治療薬)ジエノゲスト(ディナゲスト)を飲んでいますが」
リュープロレリン(リュープリン)を注射しています」
「チョコレート嚢胞があります」
子宮筋腫がありますが」
レルミナを内服していますが」
子宮内膜ポリープがあります」
「排卵誘発剤を打っている時は?」
「生理の時(月経中)は?」「生理中で生理痛の薬を飲んでいますが」
「生理不順なのですが」
「抗生物質の服用中です」
「ノアルテン服用中ですが」
妊娠中、授乳中ですが」
「カンジダは?」

などなど、婦人科疾患の治療中にコロナワクチン接種しても良いでしょうか、と言う質問をたくさん頂いています。

「この持病の人」「この薬を飲んでいる人」はコロナワクチンをまだ打たないほうがいい

と言う週刊誌(令和3年4月、週刊現代)の見出しが話題になり、私は大丈夫か、と心配になった方も多かったのではないでしょうか。

週刊誌はじめ、メディアは不安を煽って部数や視聴率を稼ぐのが現在の業態です。あの様な見出しを作った人、また反ワクチンを煽った人たちは反省があるのでしょうか。

これまでの所、現在国内で承認されて使用されているコロナワクチンと相互作用のある薬剤はなく、またワクチンを接種できないのは、

・生後6ヶ月未満

・アナフィラキシーなどアレルギーがある方の一部

に限られています。

妊娠中も期間を問わず接種ができ、むしろ積極的な接種が推奨され、各自治体で動きが見られます。

また持病が悪化して落ち着いていない時にはワクチン接種は避けた方が良いですが、むしろ持病がある、つまり基礎疾患がある場合はコロナのハイリスクになりますから、早めにワクチン接種してもらった方が良いわけです。

どうぞ、かかりつけの先生にきちんと相談して、安心してワクチンを接種して下さい。

日本国内で現在承認されて使用されているのはファイザー社製、モデルナ社、また今後使用される可能性があるのはアストラゼネカ社製などのワクチンです。

アストラゼネカ社製のコロナワクチンは、副作用として稀に血栓症があげられ、現在欧米で承認が議論されています。

そのため「コロナワクチンは血栓症になりやすい」と勘違いして、特にピルユーザーの方から心配の声が上がっています。

また、コロナ感染症も血栓を起こしかねないため、ますます混同してしまいますね。どうか心配せず、ワクチンを接種して下さい。

妊娠を考えている方、妊婦さん、授乳中の方のワクチン接種については、こちらの記事をご参照下さい

若い皆さんも、ぜひ、コロナワクチンを接種してください

当院のコロナウイルス・ワクチンの関連記事はこちらにまとめています

リュープロレリン(リュープリン)注射との接種間隔の質問 を頂きますが、注意しなければならないのはHPV風疹など他のワクチンとの接種間隔です。同じ注射と言うだけですから、ご心配いりません。

なお、コロナワクチンとインフルエンザワクチンとの接種間隔は制限がありません(いつでも打てる、ということです)。

文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)

初出:令和3年4月20日
補筆修正:令和3年4月21日、22日、24日、5月17日、21日、25日、26日、28日、6月1日、4日、5日、9日、26日、7月14日、30日、31日、8月5日、8日、15日、18日、27日、30日、9月3日、8日、10月1日、4日、18日、11月12日
補筆修正:令和4年3月14日、5月4日、6月25日、11月4日、5日、30日
補筆修正:令和5年1月5日