ポリープ、とは、医学用語では「飛び出た病変」を指します。

子宮には、子宮の中にできる子宮内膜ポリープ、子宮の出口にできる子宮頸管ポリープができます。

喉には声帯ポリープ、胃には胃ポリープ、腸には大腸ポリープ、など、様々な臓器に「ポリープ」が出来ます。

家族性ポリポージス、という遺伝性の病気がありますが、子宮にできたポリープを診断された時に、あ、私、胃にもポリープがあった、というのはほとんどその病気に当てはまらず、必ずしもポリープが出来やすい体質、とは言えません。

さて、子宮にできるポリープは比較的よくみられ、そのうち、内膜にできるポリープは、過多月経(月経量が多い)や不正性器出血、そして不妊原因となります。0.8%は子宮体がんや子宮内膜増殖症が原因になることもあり、大きいポリープほど悪性の可能性があるため、子宮体がん検査を行います。また乳がん治療としてタモキシフェンを服用している場合、内膜ポリープ出現率が高く、悪性の可能性も高くなります。

過多月経はひどいと日常生活の支障や貧血を来すこともあります。不正出血も多くは月経周期と無関係に、月の半分くらい出血が続く場合もあります。

不妊原因としては、1cmくらいの大きさを境に、

・1cm未満で卵管近くにない:慢性子宮内膜炎が原因、内膜炎がなかったり、治療が終われば特に治療の必要がない。

・1cmを超える大きさ:受精卵の着床障害となる可能性があるため、子宮鏡下手術の対象。

と治療方針が分かれます。

慢性子宮内膜炎は、子宮内に存在するわずかな細菌叢が乱れ、多くの場合、ラクトバチルスが少ないことにより、雑菌の比率が増えるのが原因となります。

正確な診断には、子宮内フローラ検査が必要で、結果に応じて抗生物質やラクトフェリン乳酸菌サプリメントを用いて治療を行い、治療後に再検査して治ったかどうか、確認します。

かつてはホルモン治療も行われましたが、有効性は明らかではなく、手術療法が行われ、ほとんどのケースで子宮鏡下手術が可能です。

これは腟式手術・内視鏡手術の一つで、お腹に傷をつける必要がありません。

腟から子宮口を通じて、子宮の中にアプローチする手術方法で、身体には優しい手術と言えます。

通常日帰りから長くても2泊3日くらいで退院ができます。

麻酔も全身麻酔から局所麻酔まで様々なため、治療していただく施設で相談してください。


無症状の場合と、すぐに妊娠を希望されていない場合は、定期的な検診でフォローアップされます。

参考文献:産婦人科診療ガイドラインー婦人科外来編2020(日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会、2020)

文責 桜井明弘(院長、日本産科婦人科学会専門医)

初出:令和2年7月2日