現在、新型コロナウィルスの流行のための日本生殖医学会の声明を受けて、生殖医療(不妊治療)をお休みされる患者さんも少なくありません。

複数の患者さんから、高度生殖医療を受けて、受精卵を凍結するつもり。その後で状況を見ながら胚移植を考えているけど、その間に子宮の年齢的変化が心配、と相談を受けました。

受精卵は今の年齢のものを保存できるが、子宮が老化しちゃいますよね、と。

よくある誤解ですが、年齢とともに妊娠しづらくなってしまうのは、ほとんどが卵巣・卵子が原因です。

例えば子宮筋腫や子宮腺筋症が年月とともに大きくなったり増えたり、増悪したり、着床しずらくなると言うことはあり得ますが、正常の子宮であれば、年齢的なマイナスの変化はほとんど考える必要がありません。

これもあまり強く言うと失礼に思われるかもしれませんが、子宮はとても単純な臓器で、エストロゲンや黄体ホルモンにとてもよく反応します。

つまり、卵巣からのホルモン分泌が年齢とともに低下しても、内服や外用のホルモン剤を使うことで、子宮は妊娠に適した状態を比較的簡単に作ることが出来るのです。

例えば、閉経した女性が若い女性の卵子を提供されたり、代理出産することがあります。

若い卵子があれば、閉経後も女性は妊娠できる可能性があるのです。


それゆえ、ご自身の卵子をなるべく若いうちに凍結保存する卵子凍結や、ご主人との受精卵を凍結保存しておく受精卵バンクなどが推奨される一方で、子宮には面倒なケアが、ほとんど必要がありません。

新型コロナウィルスの流行に限らず、今現在は妊娠する状況にないが、近い将来、または数年後に妊娠を考えている、そういった場合にも高度生殖医療を行い、受精卵凍結を行うことがありますが、妊娠までの間、子宮がん検診など、一般的な子宮のケアを続けていれば良い、と言うことになります。