昨年新しい子宮筋腫治療薬「レルゴリクス」が発売されたばかりですが、今年も注目されている子宮筋腫治療薬が、新たに処方できるようになるかも知れません。

現在開発中の選択的プロゲステロン受容体調節剤(SPRM)、ウリプリスタル酢酸エステル(UPM)は海外では緊急避妊薬としても用いられ、副作用が少なく、子宮筋腫、特に過多月経を伴う場合に効果が高い薬剤として注目されています。選択的プロゲステロン受容体調整薬

現在わかっているのは、

・12週間の服用

・無月経になるのが早く、服用後の回復早い、また女性ホルモン(E2)が低下しないため、偽閉経療法に見られるような更年期障害様の副作用が起こりにくい

・子宮内膜が肥厚するため3か月投与、2か月休薬

・子宮筋腫は休薬期間の2ヶ月で再度増大することもある

ということです。


開発元のあすか製薬の発表によると、現在、国内第3相試験を実施しており、国内第2相試験の用量設定試験の結果は、

・過多月経の症状のある日本人子宮筋腫患者121人を対象。

・12週間で無月経となったのは、ウリプリスタル2.5mg群60.0%、5mg群72.7%、10mg群88.0%と用量依存性(服用量を増やすほど効果が高い)が認められた。

・参照薬のリュープロレリン群(1.88mg、3.75mg)の無月経率は76.2%だったので、ほとんど同等。

・副作用は便秘、鼻咽頭炎で、ほとんどの有害事象は軽度だった。

とのことです。


すでに海外では治療薬として使用されています。

いくつかのデータを紹介します。

「子宮筋腫に対するウリプリスタルとリュープロレリンとの比較(Donnez J et al. 2012)」

・ウリプリスタル10 mg連日経口投与は、3ヶ月後にリュープロレリン(3.75 mg)月 1 回筋肉内注射よりも出血している患者さんが少なかった。

・無月経になるまでの期間の中央値は、ウリプリスタル 5 mg で 7 日、10 mg で 5 日、リュープリンで 21 日だった。

・中等度~重度のほてりは,ウリプリスタル 5 mg で 11%、10 mgで 10%、リュープロレリンで 40%で、ウリプリスタルの方が少なかった。


「子宮筋腫、腺筋症へのウリプリスタルの短期使用中の有害症状(Hong YH et al. 2019)」

・子宮筋腫(90名)、子宮腺筋症(3名)、その両方(7名)。

・最も頻度の高い有害症状は無月経(43%)、時々あるのですが、無月経にしようとしているので、これを有害事象とするかどうか。。

続いて体重増加(29%)、疲労(27%)等の順。

14名が有害症状のために中止。このうち主なものは、疲労(50%)、体重増加(36%)、乳房の不快感(35.7%)。これらは他の論文ではプラセボと同等、とも報告されています(Donnez J et al. 2012)。

ただ、肝移植を要した重篤な肝障害も報告されているようで、注視が必要です。


もちろんいずれの論文にも主たる作用である、

・無月経にして貧血を改善

・子宮筋腫の大きさを縮小

する効果が報告されています。

初出:令和2年4月17日
補筆修正:令和2年5月5日